EP-8 空母でBBQ(Day+16)
ペンドルトンは眼下の異世界アメリカ艦隊を見てここまで違うのかと驚いていた。
中央の空母は50000t程だろう。近代化したミッドウェーといったところか。レーダーは良さそうだ。甲板は装甲化されている。航空機は小さいがステレス形状。甲板にヘリの姿はない。日本の話しだと異世界の機体はこちらより速いらしい。GPSなしで環境データにズレがある現状でどこまでやれるだろうか。
デモイン級重巡洋艦に似た艦もあるがミサイルの代わりに魚雷を搭載しているようだ。多数の76mm砲は対魚雷用だろうか?形状はステレスを意識している。駆逐艦もステレス。小型で速力が高そうだ。こっちもミサイルではなく魚雷を積んでいる。この世界にミサイルはないのだろうか。
甲板に整列した彼女たちを見て、ペンドルトンは息を呑んだ。
金髪の髪が陽光を反射し、碧い瞳が整列してこちらを見据える。
まるで1950年代のハリウッド映画のワンシーンだ。どこか不自然に完璧で、現実の世界ではありえない光景。
握手を交わし、軽くハグ。ほほにキス。初対面で、どうしてこんなに距離が近いのか――。
「これは、現実か?」彼の心がざわつく。
会談は淡々と進む。異世界アメリカは燃料も食料も提供する。日本の男性も支援対象。会談のスピードにペンドルトンはついていけない。
次回の会談を横田基地で行うことなどが次々と決まっていった。
日本政府との会談も同様だった。日本人が英語を喋れることにとても驚いていた。この世界には日本語をしゃべれるアメリカ人は100人もいないと言っていた。食料、エネルギーの緊急輸入に前向きな事。貿易やドル借款の話しを詰めるための交渉を次回は東京で行う事などが決まった様だった。日本人もいかぶしんでいた。彼女たちは我々の何を欲しているのか?本当に精液か、技術か、想像もつかない他のものか?
昼食は甲板でバーベキュー。メインはテキサスのブリスケット。肉質は良い。圧力鍋とスモークリキッドは空母だから仕方ない。だが表面は香ばしく極上の仕上がりだ。塩と黒コショウのシンプルな味がいい。
プルドポークはマスタードとリンゴがベースと思うが食べたことがない味だ。しかし美味い。いくらでも食える。野菜は人参とジャガイモ、玉ねぎ。フムスみたいなのもあるが食ったことがない豆だ。食事の質の高さが、邪馬台国の貧しい食生活との落差を際立たせる。
邪馬台国はどんぐり、虫、海藻やプランクトンまで食べるらしい。邪馬台国の悪食はこちらではジョークの定番らしい。
あちこちで女性に抱き着かれてる。男が少ないから女同士のノリで抱き着いてるのだろうか。チャックのズボンにポークビーンズが直撃した。お嬢さん彼はデコイだ。サンプル提供よろしく。
日本人がつぶやいた。
「同じ顔ばかりに見える。アメリカ人なら違いがわかりますか?」
「俺にも親戚の集まりに見える。」
「男不足は予想より深刻かも知れませんね。数の問題以外でも」
フムス。本来ひよこ豆とオリーブオイルのペーストですが、今回は時短のためレンズ豆を使っています。




