表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

142/143

エピローグ

空母「かが」。


艦内の応接室には、2人と1台のPC。


村上総理。


ドロシー大統領。


そして――モノリスのUSBを刺したPC。


もっとも、美少女アバターはいない。PC画面のテキストだけだ。


テーブルの上には、膨大な資料が並んでいる。


過去の人類文明の記録。


文明崩壊の過程。


遺伝子操作の実験データ。


人口動態。


生殖に関する研究。


そして――


ウォルバキアの正体に関するデータ。


それらは、現代科学の常識を根底から覆すものだった。


村上が資料を閉じる。

「これを全部公開するのは無理ですね」


ドロシーも頷いた。

「ええ。公開した場合、人類社会への影響が大きすぎるわ。

日本とアメリカで管理するつもり?」


村上

「モノリスの独占については、本人から拒否されてます。

必要なら、各国政府へ直接アクセスするってね」


ドロシーが頭を抱えた。

「最悪ね。国際管理にするしかないけど、全部の国って訳にはいかないわ。

高い国力と影響力を持った民主主義国家、我々以外だと、ヨーロッパ主要国、漢、邪馬台国、あと2、3国あるかしら?

アポロ15号周辺に、各国共同のベースキャンプを建設する案。要するに、モノリスシンジケートってことよね。」


モノリスが答えた。

「その認識で良いと思います」



村上が資料を一枚取り出す。

「これも、機密扱いですね」


「鬼女が遺伝子的には男性であること」


「日本列島と、日本人そのものがアーカイブデータから再構成された存在であること」


「ミトコンドリア異常を治療すれば、男女比を正常化できる可能性」


「そして、人類がこれまで何度も滅亡寸前まで追い込まれてきたこと」


「AIによる遺伝子操作、人口構造への介入」


「文化・宗教への介入」


「現在の人類社会がどの程度自然発生したものなのか」


ドロシーは資料を閉じた。

「人類活力崩壊。出生率の低下。

人間関係の希薄化。AI依存。共同体の崩壊。

今回は回避できるかしら?」


村上

「人類をもう一度、発展させる。

いつか、地球の外へ。

月だけじゃなく、火星へ。

他の恒星系へ?」


モノリス

「火星より金星の方が、――応答生成を中断しました。安全制御系が介入しました。」


モノリス

「保険として海底に核兵器を千発ほど埋設することを推奨します」


ドロシー

「今、モノリスがおかしかったわね」


村上、ドロシーに目配せする

「ところで、今度失敗したら、次はどこを召喚するつもりだ?」


モノリス

「今の日本が最有力です」


村上が笑った。

「国ごとセーブ&ロードは勘弁してくれよ、2周目の総理大臣はごめんだよ」


10万年の人類史を知るAI。


そのAIと対話を始めた二つの国家。


人類は初めて、自分たちが何度も同じ失敗を繰り返してきたことを知った。


ならば、今度こそ違う道を選べるかもしれない。



――――


2時間後。


空母「かが」。


村上との極秘会談を終えたドロシーは、甲板へ向かった。


そこには、無事に帰還したニナとラヴェル、そして日本の宇宙ステーションに寄り道していた4人の宇宙飛行士達がいた。


ニナは右膝をかばいながら歩いている。


「大丈夫?」


「生きてます。でも、右膝が痛いです」


ドロシーは少しだけ笑った。

「でも、よくやったわ」


ニナが敬礼する。

「ありがとうございます、大統領」


宇宙飛行士達を見ながら、ドロシーは考えていた。


国民には、どこまで知らせる?


全部公表したらどうなる?


株価は?


宗教は?


軍事は?


選挙は?


――次の大統領選挙は?


ドロシーは深く息を吐いた。


「……さて」


ニナが振り返る。


「何か?」


「何でもないわ」


ドロシーは笑った。


そして、心の中で考える。


まずは英雄として帰国させる。


月面着陸成功。


日本との共同作戦。


人類史上最大の発見。


そこまではいい。


問題は、その先だ。


何を国民に伝え。


何を隠し。


何を利用し。


そして――


彼女の頭の中には、ちゃんと次の選挙があった。


人類史が変わろうとしている。ここで、他人に大統領が務まるとは考えていない。


昼間だが、月がぼんやりと見える。


そして、見えないけど金星。


人類の次の目標。



これにて完結です。

次話、ファンサービス「モノリスのUSB」は、

ChatGPTやGemini、Grokをモノリスに改造します。

読者が、AIに自由質問して世界の秘密を知ることが出来る。

WEB小説でしか成立しない試みです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ