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36 逃げてやる

 「どういうことですか?きっちり説明してください!」

別室に行き、ようやく悪魔と対決だ。

どういうことだよ、何してくれやがるんだよ。

何ニヤニヤしてるんだ!


「婚約者候補様たちはどーなったんですか!!」

「まぁ、落ち着け、今から説明してやるから」

落ち着けるかぁ~~~~!

「まあ、座れ」

仕方がないので悪魔から1番遠い席に座る。

早く説明しろ。


くくくっと笑いながら悪魔が座る。

「セリ、お前、初めておれと会った時のことを覚えているか?」

もちろんだ、あれから捕まったままなのだ。

「お前、一目で俺の本質を見抜いただろう」

本質?つーと、悪魔だってことかな?

だとしたら、見抜いたっていうか、見破ったというか・・。

「あれから俺の本質を見抜いたのは誰もいない」

へー、意外と皆節穴だな。

「だから、俺は思ったんだ。俺たちの間には何かあると」

「何があると?」

「愛だ」

はいぃいいいい?

「二人の間には愛があるな」

「ねぇよっ!!」

あまりの衝撃に声に出してしまった。


「セリ、声が出てるぞ」

はっとして、手で口を押える。

腐っても王子だ、いかんいかん。


「そんなことあるわけないでしょう、しかも婚約者候補の皆様の立場は?」

「あれは、高位貴族令嬢だからな、大丈夫、貰い手はたくさんある」

そーゆう問題ではないぞ!

「身分が違いすぎます!」

「大丈夫だ、お前を養女にしても良い、という家はたくさんある」

誰だよぅ、そんなこと了承した奴は!


「ありえません」

「いや、もう決定事項だからな?」

まてよ?まだ内々の決定だといったな?

今のうちに逃げよう。

どこか遠くへ!

「このままなんでも思い通りになると思ったら大間違いですよ!

単なる気の迷いですね。それでは、本日は失礼いたします」


よし、このまま父母様を回収して逃げるんだ!

と、思ったら、父様母様はまだ復活していないらしい・・・。

このまま二人は王宮に泊めていただく事になってしまった・・・・・。

私は家に帰って逃げよう。

チャンスは今日しかない!


王宮から馬車で帰宅すると、父母様がいない事に驚かれてしまった。

具合が悪くなってしまって、王宮に泊めていただく事になったのを説明すると、使用人の皆は、

一夜の夢ですね~、帰っていらしたら土産話を聞かなくちゃ!などと喜んでいた。


皆が浮かれているうちに、私は自室に戻り、物色する。

効率よく一人で生きていけるのに役立つ物を鞄に入れていく。

夜になりあたりが静かになった。

しかし、夜はまずい、若い女子が独り歩きなんてしたら、襲ってください、と言っているようなもんだからね。

朝方、明るくなり始めがいいね。

置手紙も書いたし、さっき厨房でこっそり食べ物を手に入れてきたし、完璧。

そーっと外へ出る。

貧乏男爵家は門番なんていないから、こっそり出かけるのも簡単。

まだ朝日が昇る少し前の、誰もいない道を早足で移動していく。

まずは隣村まで行こう。

馬車まではまだ時間があるから、行けるところまで歩くんだ。


「よし、脱出成功!ここからが本番だ!」

「成功したのか?」

「そりゃ、見つからずに出てこれたし、まさかこんな朝早くに出るなんて思ってもいないでしょうし」

「荷物持ってやるよ」

あれ?私、誰としゃべってんだ?

ギギギっつと首を回すとものすごい笑顔の・・・悪魔がいる~~~~~。

「なんでいるんですか!」

「セリなら逃げるだろうな、と思って、迎えにきてやった」

ばれてる、行動パターンがばれている!


そのまま男爵家、にはいかず、王宮に連れていかれてしまった。

私も一晩お世話になったことになってしまった。

あぁあ、逃げ切れんかった・・・。





本日2話投稿です。

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