14 好きか嫌いか
ゴウゼル様の大好きなエリザ様というのは、騎士団副団長のご令嬢で、幼馴染でもあるそうだ。
女性騎士となるために騎士科に所属している。
すらりとして姿勢もよく、長い髪を一つにまとめてさっそうと歩く姿は、女生徒たちのあこがれだ。
騎士科の中でゴウゼル様と仲睦まじく鍛錬している姿をいつも見かける。
もちろんファンクラブも存在しており、絵姿もあるという。
ゴウゼル様は幼いころからエリザ様一筋。
好きなタイプを聞いたらそりゃエリザ様一択だよね。
納得。
まぁ、マリアンヌ様達も
「ゴウゼル様は聞かなくても判るから」
って言ってましたしね。
ということで、ゴウゼル様は終了。
さてさて、再び質問だ。
「クロード様は特に女性に興味がないってことでいいですか?」
「いや、興味がないわけではないんだが、いきなり聞かれるとわからんな」
ふむふむ、興味はあると。
「セリ、私は守ってあげたくなる女性が好みだ」
侍従見習いのセント様。
「私は一緒にいて楽しい会話ができる女性かな」
側近候補のレント様。
メモメモ。
カイト様はまだ頭を抱えている。
まぁいいや、後にしよう。
「好みの女性についてはまた後で伺いますね、では次の質問です」
「え、まだあるのか?」
「はい、次はですね、アレクセイ様の事をどう思っているかについてです」
「殿下について?」
「はい、どう思われてますか?」
「尊敬しているが・・」
クロード様の答えは普通だな、ん~、なんか皆様の聞きたいことと違う気がする。
多分もっとずばりとした答えがいいんだよな、多分。
「そうではなく、好きか嫌いかでお答えください」
「はい??」
「どちらですか?」
「え・・・」
「好きですか?嫌いですか?」
「そう聞かれたら好き?としか・・・」
クロード様は殿下が好き、と。
「なんか違うんじゃ・・・」
いいじゃん、どちらか選ぶだけで簡単だし。
「カイト様は?」
「え、と私も好きの方だと・・・、セリ、なんか違うぞ?」
カイト様も殿下が好きだと。
「私も殿下の事は大好きだぞ」
うんうん、ゴウゼル様はぶれないね。
殿下の前では大型犬のようだもんね。
大好きって見てても判るよ。
他の皆様も好き、で終了。
良かったね、殿下は皆様に愛されているよ。
あ、あとで本人にも確認しなければ。
さて、最初の質問に戻りますか。
「さあ、女性の好みをお願いします」
「まだやるのか?」
「頼まれたんですから、協力してくださいよ」
私のデザートの為だ、皆頑張ってほしい。
クロード様は知的な会話ができる女性、ということになった。
カイト様は女性が好きと。
「セリ、誤解のないように伝えてくれよ。私は女好きではない、女性を大切にしたいだけなんだ」
カイト様はなぜか悲痛な顔で頼んできた。
「お任せください!」
「なんでか不安になる・・・」
さてさて、最後は悪魔だな。
アレクセイ殿下はなんか用事があったらしく、質問が済んでからやってきた。
「殿下、質問です」
「いきなりか?」
「好きな女性の好みは何ですか?」
「何だその質問は・・。忘れているようだが、私には婚約者候補の女性がいる。
好みの前に政略を考えないといけないから、その質問には答えられん」
なるほど、婚約者候補が政略上大切、と。
「何故そんなぶったぎった答えに行きつくんだ・・・」
「では次の質問です」
「何だ」
「側近候補の皆様の事は好きですか?嫌いですか?」
「はぁ?なんだその質問は」
「どちらですか?一人ずつ聞くと面倒くさ、いえ、お時間を取らせるので」
「聞こえてるぞ」
「あの、どちらですか?」
後ろから視線を感じる、ゴウゼル様か。
なんか期待した目で見てるぞ。
殿下も気が付いたようだ。
「あ~、そうだな、その、好き、の方で」
「はい、ありがとうございました」
殿下は皆さまが好き、としっかりメモを取る。
お互いに両想い、ということですね、ふむふむ。
「それ絶対なんか違う解釈されそうな気がするんだが」
「そう思う」
「あれそのままでいいのか?」
「なんか嫌な予感がする」
ざわざわしているが、ミッションを完遂できて私は満足だった。




