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辺境伯家6・ディスコーディー大森林・手紙・急ぐ

 

 帝都の北西部から北部地域に接している、世界最大の

 ディスコーディー大森林の最前線


 数少ない自由主義な土地の一部に砦が存在する。


 国や貴族の権威や力は何の意味を持たない自然の大驚異の森林。


帝国皇帝に認められた。 帝国内にある数少ない治外法権の領域。

 貴族や冒険でも実力が無く威張り散らしていると、ボコボコにされるか最悪は次の日には存在自体消される。


 己の強さのみしか評価されない、強ければ正義であり、回復師は別な意味で特別な存在だった。


 魔物との最前線の防壁である砦こと『最後の砦』


 冒険者ギルドは存在するが、調整役と装備・備品・防壁の管理のみで砦内での命令権は存在しない。


 ただの中間管理職的な立場で存在を許されている。



「何とか魔物退治も終わったな」


 三十代程の男が一言、エールを手にし皆を見わたし声を掛けた。


 そんな男に皆が頷き


「今回も生き残った。みんな乾杯だ~」


「「「乾杯」」」


 それから生き残った事に事を皆で騒ぎだす。


 因みに乾杯ではグラスをあわせない、何故なら直ぐに壊してしまうから……。


「みんな、酒と食い物は幾らでもある今夜は楽しんでくれ」


 二百人以上入れる居酒屋で店主が嬉しそうに皆に声をかけると


「勿論だよ親父さん、あの激戦に勝利したんだ今夜は……… 明日の朝まで飲むぜ」


「ってさ~、お前は活躍してないだろが、補給品の運搬間違えたくせによ」


「だが、そのおかげで武器の不足はなかったからな」


 流石に可哀想にと援護するが


「戦力にはならんが、此奴の『収納魔法』がなかったら、前線を保持できなかっただろうしな、縁の下の力持ちだろ?」


 そうだ、そうだと皆が少年の援護射撃する


 その中で二十歳前の青年が


「流石に一月も戦うのは疲れたよな。でもお陰でレベルアップと魔法も覚えられたし、実家に帰るの嫌になるな居心地良いからなこの砦は……」


「お前さんは貴族の跡取りだったか?」


「あぁ~、帰ったら貴族様だよ。 自分の時間が無くなるからな、配下の騎士や使用人達に領地の民の幸せのために今後は生きていく人生だ」


 本当に期間延ばして貰えないかな、二年か………

 あと半年だけでも


 と! 


 考えていると



「ユーディス様、お楽しみ中に申し訳まりません、この手紙を……」


 楽しんでいるところに、鎧等は身につけてない見た目で騎士だと分かる男性がいた


「手紙! グレンからか」


 それから直ぐに中身を取り出し、読んでいけば…


「おい、この手紙は何時の時点の情報だ?」


「二週間前になります」


 騎士のデルタは額に汗を欠きながら直立不動で答えた。


「そうか」


 何だよこの内容はよ


「手紙を書くから用意してくれ」


「はっ!直ぐに」


 親父が当主気取りでオストローネ公爵家とレイリアの婚約を取り付けて結婚破棄されたって!


 何やってんのさ


 んで、公爵家には抗議と貴族裁判を申請か、婚約自体が皇帝陛下の許可が出てないのに何を考えているんだよ。


 その辺は対策してるだろうしな、屋敷の使用人達の半数がクビにされて、親父の後妻と娘が本宅に住んで我が儘してるのが拍車が掛かったと。


 ん! そんで侯爵家の次男が親父の後妻の娘と婚約して婿入りだと、何考えてる。


 ん!


 コウネリアス辺境伯爵家当主の座を狙っている?


 俺の許可無くよくもまぁ~、勝手気ままにしてんな。


 呆れるわ………



 それで、レイリアは別宅に移動して近侍衆が警備して厳重に…… 騎士団を領地から呼んで警備か………


 ・・・・・明日にでも戻るか、面倒な事になってるから、直ぐに当主就任するしかないな。


「おい、俺は明日の朝一で戻る。グレンに当主拝命の件は了承したと。

 それとバカ共の捕縛の準備をするようにと、それと馬の換えを帰路に準備を頼む」


 他の皆はオヤッとした感じで話を聞いていた。



「はっ、既に手配をかけます。それでは帝都で」



「いや、お前は疲れているだろうから他の者を行かせろ。 この砦での仕事を頼むから今夜は休め」



「分かりました。別な者に替わります、此処で何をすれば良いのでしょうか?」


「冒険者を雇うことにしたから、調整役を頼むぞ。

 既に大体の話しは完了してるから後は最後の詰めの話し合いだけだ頼んだぞ」


「分かりました」


 同じテーブルに座っている冒険者に声をかけると


「デルタ、俺は明日の朝一で帝都に戻るからさ、このバージェスと話しを詰めてくれ。

 俺の取り分も任せるから上手くやってくれや」



「なんでぇ~、ユーディスは帰んのかよ。三日三晩の宴会だぞ」


 すると、隣なりにいたもう一人が


「問題発生か?」


 何故ニヤつくんだ、ムカつくな………


「ポックルよい、やっぱり雇うの辞めるわ。

 話しは無かったことになっ」


 満面の笑みで言ってやったら


「待てよ! 契約違反だぞ!!?」


 フフフ、焦りやがって面白い


「残念だが、契約前だ正式な書類もないし残念だな本当に…」


 あ~、何て残念な顔してんだよ、ざまぁ~


 その光景を周りの冒険者たちは笑いながら、酒の肴にして爆笑してたよ


 俺はそのまま宿に戻り帰宅の準備を始めた。

『収納魔法』に自分の物を詰め込んで、近くの飯屋数件に簡単に食える弁当を頼み、世話になった人達に挨拶してまわった。





 でも何で婚約破棄! 何でテンプレ?


 恋愛小説が俺の身近に起きるんだろうか。

 普通に辺境伯爵家に手を出すなんて自殺まがいな行為を…………



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