「わたしの永遠の故郷をさがして」 第3部 第2章 第19回
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「しかし、あなたには、期待もしている。」
と、ヘレナ女王が付け加えたのは、実際に珍しいことだったのだ。
「ほう? あんたが期待しているなんて言ったのは、はじめて聞いた。やはり、バーチャルだからかな?」
ヘレナは、気持ち良さそうに、長い髪をすいた。
「これは、意思を持った映像だ。」
「単なる幽霊ではないか?」
「愚かな! わたしは不滅だ。あなた以上に。」
「不滅なら出てこいよ。バーチャルじゃなく、本物がね。」
「母に会いたいか?」
「そういう、意味ではない。本物でないと、責任を取らないからな。」
「ははははははは。同じことだ。わたしは全てを認識しているのだから、変わりはない。そこで、あなたにやってほしいことがある。」
「ほう? 聞いてやってもいいが、こちらの言い分も聞くべきだろう?」
「なにを希望するのだ。」
「だから、言っただろう。ちゃんとみんなの前に出て、処刑されなさい。」
「それが、不滅の母に向かって言うべきことかい?」
「あんたが不滅かどうかが、問題ではないんだ。移住から一定期間が過ぎて、地球の皆が納得できなくなっているんだ。みな、いまや、自分たちの存在意義に疑問を持っている。このまだと、内乱が起こるぞ。パル君が襲われたのは、その始まりにすぎないよ。すぐに次が起こるにちがいない。不死の存在と、そうでない者との差異は大きい。確かに寿命は長いが、過ぎてしまえばすぐだ。誰が不死なのかは、もはや明らかだ。あんたの作った宗教とやらでは、押さえられない。壮絶な犠牲が必要だよ。それで、パル君はまだ不死にしていないんだろうがな。で、ぼくには、なにをしろと?」
「副王になりなさい。」
「はあ? 首相がいるんだ。要らないだろ。」
「首相は政府の長だ。副王は、王様の代理。王は基本的に表に出るべきではないと思う。その時期はもう、過ぎた。いまや、王は王宮の奥に進むのです。神とだけ会話をし、副王を通じてその意思を伝えるのです。」
「神様はだれなんだ?」
「それは、秘密です。」
「ばかばかしい。それがあんたの解決策なわけか?」
「未来を見据えてのことです。」
「仮にそのやり方があるとしても、ほくでは、だめだ。」
「なぜ?」
「ぼくには神秘さがない。パル君にはあるがな。」
「だから、良いのではないですか。ぴったりです。実務に長けた副王様ですよ。」
「お断りだ。」
「処刑されても良いと言ってもか?」
「え? 良いのか?」
「もちろん、派手にやってくれて良い。」
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