#4「猫はかまってもらわないと不機嫌だ」
#4「猫は構ってもらわないと不機嫌だ」
家に帰ったあと、俺は仕事をすることにした。俺の仕事は翻訳だ。
家の書斎に行き、PCを起動すると、前回やったところが表示された。
「別に〆切が近いわけでもないが・・・・」呟きながら眼鏡を仕事用に変える。昔から使ってるのは古くてたまに落ちてくる。
「修理にかかる費用を考えると買ったほうが安い」店員の台詞だ。俺は言われたとおりに、新しい眼鏡を買い、普段から使ってると、またねじが緩んだりしだすだろうから、
仕事時と普段時で、分けて使っている。
そんなことを頭の端で考えながら10ページほど進めると
「うーにゃー」ドアを爪でカリカリとする音が聞こえた。
「ん?」ドアを開けると
「にゃー」猫が俺の腰に飛びついてきた、不意を突かれた行動に対処が送れ、俺はしりもちを着いた。
「にゃっにゃっにゃっ」書斎にこもったので、俺が居なくなったのと勘違いをし寂しい思いをしたようだ。涙目で俺の頬を舐めながらしがみついてくる。
「わわっ・・・すまない」素直に謝り、頭を撫でると
「にゃ」少し怒ったような視線が俺に向いた。しかも涙目のまま。
「すまない、今度からちゃんとドアを開けておくよ」俺はなぜか猫の額にキスをした。後になって思うと、何故したのかは分からない。
「・・・・にゃっ」俺が額から口を離すと、猫が俺の首に手を回して口にキスを返してきた。
「んっ!?」この猫の行動には不意を突かれっぱなしだ。顔が赤くなるのを感じつつ、猫の顔を見ると、猫は目をつぶっていた。
だが、猫も顔を赤くしていたのが、なぜかものすごく可愛く感じ、俺は猫を抱きしめた。
刹那の間、こうしていると
「うにゃ〜」猫が少し苦しそうに呻いた。
「あ、すまない、大丈夫か?」俺は抱きしめていた腕を解き、猫の顔を撫でる。
「うにゃん」猫はくすぐったそうに笑った。
その日以来俺は仕事をする時や、寝るときは、部屋のドアを開けっ放しにした。
といっても、仕事の時は俺のひざの上で画面を興味心身に見つめ、寝るときは声をかけると一緒の布団に入ってきた。




