19話:両手と理由
「ここだ」
単崎将の案内により、『アウト』の本拠地に来た。
「って、確かこんな描写、前にもなかったか?」
「竜騎、いくよー」
神島竜騎がデジャブを感じていると、置いて行かれかけていた。
似たような描写は作者の都合です。
フェリーアが待っていてくれていたので、竜騎はそれに続いた。
「おぉ……」
入り口からずっと通路になっており、突き当りの大きな部屋の扉を開けた。
「すげっ!」
中はどこかのパーティー会場のようにきれいに装飾されており、赤い絨毯がひかれていた。
そもそも、この本拠地の見た目は前回と同じくビル……、ではなく、あきらかに館のようである。
「こんなものが『日本学園』の中にあったんだねぇー」
園生美咲も感嘆する。
ちなみにここは『日本学園』最南端に位置する。
「お、帰ってきたみたいだぜ」
「オオ、オ前ラガ新入リカ?」
「He looks so cool! Is he strong?(彼はかっこよく見えるね! 強いのかい?)」
「おぉぉぉぉぉ女ぁぁぁぁ!!?」
と、各々に面白いリアクションをする4人が迎えた。
「つか、若干1人英語だったろ……」
竜騎の冷静なツッコミもスルーである。
「うるせぇぞテメェら!! まとめてほり出すぞ!」
単崎の声に皆が反応した。
「とりあえず、俺から自己紹介させてもらうぜ。俺は山田太郎。名前は平凡だが、能力は平凡じゃないからな」
「ホンっト平凡な名前だな……」
「オイラハ、条州蓮。特ニ興味ナイケド宜シク」
「興味ないって……。つか、お前そんなまともな名前だったのか……」
「My name is Reon. I'm interested in your abirity. Nice to meet you!(私の名前はレオンだ。君の能力には興味があるよ。宜しくね!)」
「おいおい、なんかこっちからは興味持てれてるし。つかお前も、何人なんだよ……」
「俺の名は衛藤坂作だ。自慢じゃねぇが、大の女性恐怖症だ!」
「マジで自慢にならないな……。つか、隣の英語女は平気なのか?」
竜騎は1人1人にツッコんでみたが、ノーリアクション。
「私はフェリーア。なんか『天使』って呼ばれてるんだ」
「ちぃーすっ! 私は園生美咲、『ドロップ』のもと副リーダーでーす」
はしっこでビクビクしている衛藤に視線を向けた竜騎。
「あ、俺は神島竜騎。知ってるかもしんないけど、『素材練成』は俺の能力だよ」
その一言に、皆がぎょっとした。
「おい単崎! なんで生きてるんだ!?」
勝手に殺すなおい。
「神! 神ガ光臨ナサッタ!」
なぜ急に崇めだすんだおい。
興味なかったんじゃなかったのかよ。
「Yah!! That abirity is said to be can kill other people,right!?(わぁ! 君の力があの人を殺せる『素材練成』なんだね!?)」
人を殺せる力だなんて嫌な言い方されてるのかおい。
「女怖いぃぃぃぃぃ!」
もはや力には一切関係ないじゃねぇかおい!
竜騎が内心でツッコんでいた。
なにやら、面白い連中ばかりのようだ。