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 母(道子)、危篤

 早朝、玄関のカラスドアーを叩く音。


マコトは眠い目を擦りながらドアーを開けた。

郵便配達員が立って居る。


 「黒沢さん。電報です!」

 「?・・・すいません」


急いで電報を開く。


 『ハハ・キトク・シキュウ・コラレタシ・リョウコ 12・31アサ06; 30』


マコトの足が震えている。

急いで憲司を起こす。


 「父ちゃん! 母ちゃんが、母ちゃんが」

 「ウ、母ちゃん? アッ!」


憲司が飛び起る。

マコトは開いた電報を渡す。

憲司の顔色が変る。


 「マコト、早く行け! 俺も直ぐ行く」


マコトは急いで学生服に着替え、机の上の『柘植(ツゲ)の櫛(修学旅行の道子へのお土産)』をポケットに入れる。

                          続く

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