陰謀は密かにすすめています。
あの女欲しい。
川牛の突進の直撃を受けて
打撲とかすり傷だと?
「しかも次の日にはほぼ完治とはな、フフフ。」
私は笑った。
「御前、楽しそうですね。」
ミチラーダが言った。
「まあな、碓井霧華はなぜか気になる。」
私はいった。
あの川牛の暴走はまだ、実験状態だ。
シェル王国の根底に関わるような事態が起こるとは思っていまい。
部屋の中では異臭が漂う。
動物たちを暴走させる薬剤だ。
海の中で使えば、憎き連中に
大打撃を与えられるはずだ。
「順調に暴走いたしました。」
イブリン博士が言った。
相変わらず艶やかな男だ。
「騎士団の連中に止められるようではまだまだ。」
オーウスアが言った。
「まだまだですって?」
イブリン博士がいいかえした。
まあ、騎士団にとめられるようではまだまだだろう。
「争うでない。」
あの二人は折り合いが悪いな。
「わかりましたわ。」
イブリン博士が不満そうに言った。
「は。」
オースウアがやはり気に入らなそうに言った。
困ったもんだ。
それにしても、碓井霧華。
なぜこんなにもひかれるのか?
「あの女欲しい。」
あの強い身体をつかいたい。
血の一滴すら価値がある。
宇水の血だからな。
「かしこまりました。」
ミチラーダが言った。
相変わらず、忠実な女だ。
「御前、外部の女など役に立ちません!」
オースウアが言った。
「そうですわ、おやめください。」
イブリン博士が言った。
気に入らぬか?
「碓井霧華は宇水家のものだ、あの家のものが優秀なのはよく知っているであろう?」
私は言った。
「私より優秀ですの?」
イブリン博士がすねた。
色っぽいな。
「すねるでない、そなたの優秀さはわかっておるわ。」
私はそういってイブリン博士の手を撫でた。
「薬はうまくいってないようだが。」
オースウアが腕をくんで言った。
こやつはすぐ、イブリン博士に突っかかるの。
「うるさいわね!」
イブリン博士が言った。
「御前をわずらわせるな。」
ミチラーダが言った。
「わかってますわ。」
イブリン博士が言った。
「生意気な男なのでつい。」
オースウアが言った。
「ハア、困った連中だ。」
ミチラーダがため息をついた。
まあ、よいだろう。
「碓井霧華ははぐれ宇水だ、宇水鈴菜をなんとかすれば、王家とウェルピーナ家がすぐ、動くが、碓井霧華は宇水家が動くまでに時間がかかるはすだ、うまくこちらに誘い込め、無理なら強硬手段をとれ。」
私は笑った。
楽しくて仕方ない。
あの女をどうに落とそうか?
それとも、襲撃するか?
「はい。」
ミチラーダが微笑んだ。
まあ。任せて安心だろう。
「騎士団に潜り込ませたものにも協力させよ。」
私は言った。
あやつを動かしたほうが確実だろう。
「はい。」
ミチラーダはそういって立ち上がり去っていった。
私の命令を実施するために。
フフフ、碓井霧華、会えることを
楽しみにしているぞ。




