婚約者が出来たでしょう?
ウセーファさんから名乗られました。
こ、婚約?結婚?
「さきこされたわ!」
寮父のロリエーンさんが言った。
あなたも狙ってたんですか?
「…まあ、いいか、お前は全部ミツアミの方がいいだろう。」
アルス隊長が言った。
「ええ?ダメよ、一部編み残さなきゃ。」
ロリエーンさんが言った。
編みかたにもこだわりが?
「ウセーファさんただ一人主張でかまわないだろう、変な虫がつかなくていい。」
アルス隊長が言った。
ミツアミを髪を残さず編むと
婚約者ただ一人のものという主張らしい。
たしかにエリックは左側の一部しか編んでない。
普通は女性のプライド的にエリックタイプらしいけど、
隊長はこの一本ミツアミで他の男性撃退を
考えてるらしい。
私、男々しいんでモテませんよ。
「霧華さんはみんなのものなの!抜け駆け禁止なのよ!」
ロリエーンさんが言った。
抜け駆け禁止?何それ?
も、モテてたの?
「おい、そりゃなんだ、ロリエーン?」
隊長が聞いた。
「霧華さんを愛でる会って言う同盟があるのよ。」
ロリエーンさんが言った。
い、いつの間に?
愛でるってなにさ。
「おい、霧華の許可はとったのか?」
アルス隊長が言った。
私は首を横に振った。
聞いたことないよ。
「かわいくって格好いいんですもの、可愛いもの好きな男子にはたまらないのよ!」
ロリエーンさんが言った。
「お前なぁ…霧華、まともな男と婚約してよかったな。」
アルス隊長がため息をつきながら言った。
なんでも会員は3人いるそうです。
「仕事いってきます。」
私はよろよろと職場に向かった。
まあ、徒歩10分ですけど。
「ジャック様に聞きましたがウセーファさんと婚約したそうですね。」
カイエラ執事さんに待ち伏せされました。
たいした距離ないのに!
「し、しました。」
この人の挑みかかるような目が怖いです。
「私が先に立候補していたと思いますわ。」
カイエラ執事さんが迫ってきた。
わーん、怖いよ~。
「まだ、お返しはしてませんわね?」
カイエラ執事さんが言った。
「き、昨日の今日でどうしろと?」
今日、かえりにウセーファさんと待ち合わせて買いに行くんです。
ああ、ウセーファさんの方がいいや。
優しいし守ってくれようとしたもん。
戦闘できないのに。
「私は名前は…。」
カイエラ執事さんがいいかけた。
「まて、決闘でもするつもりか!?」
ジャックが駆けてきた。
「婚約者のいる女に名乗るなど、愚の骨頂だ。」
アルス隊長も来た。
わーん、助かったよー。
「……決闘?いいですね、ウセーファさんに申し込みましょう。」
カイエラ執事さんがクスクス笑った。
怖いよ~。
「お前、どうかしたか?」
ジャックが言った。
「欲しいものは争ってでもてに入れるものです。」
カイエラ執事さんはそういって私に近づいた。
「私は昨日、霧華さんと初めてあったわけではありません。」
カイエラ執事さんはそういって
私のミツアミの髪飾りを取り去った。
「返してください!」
私は言った。
貰い物を無くすわけには。
「ウセーファ家ごときが宇水とつながろうなんて生意気な。」
カイエラ執事さんは髪飾りを地面に落とした。
固まった私のまだ残るミツアミを手にもって
「きっと、私のものにしてみせます。」
と微笑んで髪にキスをしてから去っていった。
「よかった傷ついてない。」
しゃがみこんで髪飾りを拾った
私は現実をみたくなかった。
「ジャック、何とかしろ。」
アルス隊長が言った。
「ご当主に掛け合ってみます。」
ジャックが言った。
やっぱりカイエラ執事さんは苦手だよ。
なんで、あんまりよく知らない私に
執着出来るんですか?
ああ、震えが止まらない。
どうしよう?怖いよ~。




