第35話 カイトとの決着
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(チャラ男風に、笑)
「まだいけるだろ?」
あいつは完全に余裕な態度をとっていた。
まぁ、俺の方が経験が少ないからそう思われるのも無理はない。
そこで俺は、一つの作戦を考えた。
正直俺のほうが、パワーも経験もスピードも武器の相性もあいつより劣っている。
なら勝つ方法は―――頭を使うしかない!!
あっ、頭突きという意味じゃないぜ?
そもそも地球人が、こんな魔物とかがウジャウジャいる世界の住人に勝つのは不可能だろう。
だって生き物は、環境に対応して進化するからだ。
いい例が深海魚かな? あいつら暗闇で生活してるから、目が退化してるらしいし。
その分鼻がよくなったりとかね。
そして本題に戻るとどうやって勝つかだ。
見たところ武器はレイピアだけだ。
ならあれを抑えれば勝てるはず!!
「何、さっきからボーっとしてんだ?」
「いや、君に勝たせてあげるためにわざと何もしてなかっただけだよ」
「……なんつった? もっぺん言ってみろ」
「だから……俺は君にハンデをあげたってことだよ」
今度は、さっきよりも大きい声ではっきりと言った。
「上等だコラァ!! 避けれなかったくせに調子づきやがって!!」
カイトは、思いっきり俺の喉元目掛けて、突きをしてきた。
「っ!? 《地龍閃・突》!!」
俺はすぐさま反撃した。
恐らく相手は、それを防ぐためになんらかの方法をとるはず!!
「ちっ! めんどくせぇ、《火硬剣》」
カイトはすぐさま剣を目の前にかざして受け止めた。
剣からはすごい熱気みたいに気みたいなものが出ていた。
……これなんて卍○?
霊圧みたいな。
でも!!
「貰ったぁぁーーーーー!! 《一崩狼》!」
俺は、ハイネ先輩の技を真似してみた。
全体重を剣にのせ、思い切り振り下ろす!
完璧ではないが50%の力はだせたか!?
「ぐっ! 負けるかっ!!」
「《火硬剣》だっけ? そんなもの俺が打ち砕く!!」
「なめるなぁぁーーー!! 今まで一回も砕かれてないんだ!!」
「知るかっ!!」
負けるわけにはいかないんだ!!
俺達の……俺達の……お菓子券のために!!
『かっこいい場面に合わないことを心の中で言ってます……』
『ユウマの心の中分かるのかよ!?』
『ルーだからな……』
『ルナちゃんだからね……』
おい、だからなんで俺の心の中が読めるんだよ!!
もう魔法とか関係なしにそれ使えよ!!
絶対そっちの能力が強いから!!
セシル、ナイス突っ込み!! やっぱりお前は俺の親友だ。
あと外野。それは答えになってない!!
「やばっ!?」
カイトの足が地面にめり込んだ。
「おらぁぁぁぁーーーーーー!!」
「グヘッ!!」
そして足場が不安定になったので、さらに力を入れたらそのまま剣ごと叩き潰せた。
◆ ◆ ◆
「お前らの勝ちだ。いい経験になった。ありがとな」
「こっちこそ。また機会があったらよろしくな」
俺達は無事にお菓子券を貰い、二人と別れた。
「にしても……技欲しくね?」
「なんで疑問系!?」
「どういう意味?」
「だって俺だけなんか技少なくね?」
ルナの戦闘の時やたらと技? を使ってたし。
「そんなこと言ったら俺だって少ないぜっ!?」
「なんとかしてぇな……」
「それは僕達に言われても……」
確かに言うやつが違うか。
俺達はそんなくだらない話をしながら、帰路についた。
【アクアの家 inお風呂】
「ふぅ~~。お風呂はいいねぇ~♪」
俺は風呂に入ってた。
正直男の風呂の描写とか書いても……。
しかもイケメンじゃないし。
「なんかすごくムカムカしたんだけど……」
「お風呂~~♪」
「こっ、この声は!?」
アクアぁぁーーーーー!? これ絶対死亡フラグだろ!?
どうする……どうする……俺!?
「(ガラッ!)お…………///」
間に合わなかったぁぁーーー!! 俺はタオルで体を隠したけど……。
「へっ、へっ………」
「へっくしょん!! っていうくしゃみですよね!? そうですよね!?」
むしろそうであってほ――
「変態っっーーーーーーーーーーー!!!」
「理不尽だぁぁーーーー!!」
俺は、抵抗する術もなく、あっけなく床についた。
何もしてないのに……。