第10話「夫婦として、声と想いを重ねて」
――声の人は、僕の妻です。秘密から始まった“結婚生活の真実”
⸻
東京・午後3時。
スタジオブースの中、ほのかは一人、マイクの前に立っていた。
「――その声は、私の勇気になった。だから、信じられるの。あなたの未来を」
リテイクなしの一発OK。
スタッフの拍手とともに、監督がモニター越しに親指を立てた。
「やっぱり結城さんはすごい。台詞に“生きた感情”が乗ってるんだよな」
「ありがとうございます」
控室に戻ったあと、ほのかはふと携帯を見た。
LINEも電話も来ていない。だけどそれでいい。
今の自分は――ちゃんと“彼の隣”にいるから。
⸻
同時刻。
都内のオフィスビル・会議室。
悠人は、書類に囲まれながら、ふと天井を見上げた。
上司からのフィードバックを受けたばかり。
慣れないタスクに戸惑いながらも、日々成長を感じている。
でも今、ほんの数秒だけ、仕事を忘れて――
彼女のことを考える。
⸻
※ふたりのモノローグ(心の声)
悠人:
「たぶん、誰も信じなかった。
“あの声の人”が、自分の妻になるなんて。
でも、ほのかは俺の名前を呼んでくれた。何度も、何度も、
――俺の“声”を信じてくれたから。」
ほのか:
「名前も知らなかった男の子が、
私の声を信じて、ファンレターを送り続けてくれた。
その想いが、いつしか支えになって――
今はこうして、隣で歩いてくれてる。」
悠人:
「夫婦って、毎日同じ時間を過ごすことじゃなくて。
“すれ違っても、心だけは繋がってる”って信じられる関係のことだと思う」
ほのか:
「声優として、人前で“愛”を語ることはあっても、
本当に“愛してる”と思える人と生きていけることは……
奇跡みたいだって思う」
⸻
その夜。
同じ玄関の鍵が、ほのかの手によって回された。
「ただいま」
「おかえり」
ふたりは自然に、顔を見合わせて微笑んだ。
「今日も忙しかった?」
「うん。でも、“あなた”を思い出すたびに、
どんなセリフも、きちんと届けたいって思えたの」
「俺も。……会社でちょっと、企画褒められた」
「すごいじゃん。じゃあ今夜は――」
「お祝いしようか、“ふたりだけの結婚記念日”を」
小さなケーキを二人で切り分け、グラスを合わせる。
そして、自然に唇が近づいて――
ゆっくり、優しく、でも確かに深く――キスを交わした。
⸻
ふたりは夫婦になった。
“秘密”という始まりから、“家族”へと変わり、
やがて“絆”へと続く時間を重ねてきた。
これからも――
舞台の上でも、オフィスの中でも。
遠くにいても、すぐそばにいても。
ふたりの“声”は、きっと重なっていく。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——
ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!
その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。
読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。
「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!
皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。




