【五五】防疫対策 ドワーフ族 その二
高大一貫教育の大学三年生になり、実習のために船で離れ小島へ向かっていた主人公は突然の嵐に
遭遇してしまう。
気が付くと大学生男子一名、女子七名と女教師二名だけが異世界の孤島に漂着していた。
ここから孤島でのサバイバル生活が始まる。彼、彼女らは専門分野別に集められたエリート達だった。
生活する上で不可欠な拠点造り、食料の調達から始めることになる。
かつての世界の技術力を駆使した武器や輸送手段を筆頭に様々な開発も行うことになった。
最大の問題は武器、輸送機に使用されていた原料がこの世界には存在し無いこと。
新たなエネルギーを得るために悪戦苦闘するメンバー達。
発見された常識を覆す新エネルギーは後の大発明へとつながって行くことになる。
この世界を統治する王国や巨大生物、未知の病などと格闘する日々が続く。
次々と降り掛かる問題を持ち前の技術力と結束力で乗り越えて行く。
自分達の国を創り上げるため奔走する冒険と青春の物語である。
ドワーフ族の疫病対策を開始した。
里にある町外れの大きな広場を借り受けて、エルピーダを駐機させてもらった。
ここがワクチン接種班である早苗、陽鞠、志摩の拠点となる。
また、今までと同様に初音と花江にはここでワクチン製造を担ってもらう。
まず、ドワーフ族の中で感染が発症している者を鍛冶組合総出で探してもらう。
ドワーフ族代表で組合長のハルモニアの指示で副代表でもあり施設長でもあるアスターが組合員に緊急依頼を掛けたのだ。
その日の内に厩舎で仕事に当たっていた二人が感染していることが分かった。
数百人を越える人口を考えると感染は極初期であることが推測された。
早苗と陽鞠は工房関係者には感染が広がっていないと考え、二手に分かれることにした。
ドワーフ族へのワクチン接種とその教育を早苗が、厩舎を中心に馬や牛へのワクチン接種を陽鞠と志摩が担当する。
感染対策のためバトルスーツに気密フェイスマスクを装備した彼女達が活動を始めた。
その頃、感染源撲滅班の愛理、花梨、勇作は・・。
バイオサーチデバイス(BSD)を使って感染源の追跡を行っていた。
「やはり数は少ないですわね・・そこの水路の先、右に折れたところ!」
「「了解!」」
電磁捕獲網(MCN)を収束式拳銃剣にセットした勇作と愛理が指定場所に向かう。
到着した二人は収束銃を水路に撃ち込み、飛び出したネズミに向けてMCNを射出して一網打尽にする・・を繰り返していた。
着弾と共に絡め取った導電体の網に電撃が走る。
「バリバリバリッ」
閃光と共に焼け焦げる臭いが立ち込めた。
二つの網には数十匹のネズミが黒焦げになっていた。
花梨からの指示に従って駆除を続け、一通り回り終わるまでには数百匹のネズミを駆除出来ていた。
エルフ族の里では異常繁殖した数千匹以上のネズミを駆除したので、それに比べればまだまだ少ないと言える。
ネズミは全て密閉容器に回収済みだ。
後で感染源となっているネズミがどの程度いるのか、早苗と陽鞠に検査してもらわなければならない。
「ふぅ・・取り敢えずはこんなところか?」
「そうですわね・・残ったネズミは人家から山へと逃げ出していると思いますわ」
「これで感染源が無くなれば良いんですけどね」
一方、衛生対策班の心愛と希美は・・。
「・・ここダメ・・」「あら、ここは一段と流れが無いわね」
「・・勾配下げる・・」「・・そうね、その方が良いかも」
心愛と希美は施設長のアスターに頼んで、土木工事を行うための人手をお願いしてあった。
「・・ここと・・ここ・・」
「了解よ・・皆さーん、この合流ポイント先の勾配を・・」
「・・ここから・・出す・・」
「うん、そうね・・皆さーん、ここに第一地区から集めた湧き水の水路を繋いで下さーい!」
こんな感じで現在ある下水水路の改修と、汚水を流す水流確保のための新設水路工事を急ピッチで施工して行った。
水路の改修に一定の目処が付いた心愛達は継続する工事を職人達に任せて、次に小規模な排水施設の建設に取り掛かった。
エルフ族は種族上の特性なのか木材を使った加工が非常に上手い。
それに対してドワーフ族は金属は元より石の加工技術も高く、排水施設の建設にも大いに役立ってくれた。
獣人族の衛生対策で使用した古代コンクリートの作製方法を伝授すると瞬く間にその技術を習得して次々にコンクリートの壁を建設してしまった。
「・・ドワーフ、すごい・・」
「本当よね・・習得速度もすごいけど、身につけた技術力もすごいわ」
排水施設は沈殿槽、希釈槽、汚泥槽、焼却槽から成り、それぞれの役割と使用方法や管理方法を施設管理者候補に教育していった。
ワクチン接種、感染源撲滅、衛生対策という三本柱を一週間に渡って進めた結果、目に見えた変化を感じられるようになってきた。
感染予防としてドワーフ族の人達へのワクチン接種もさることながら、厩舎内への家畜に対して接種を進めた結果、馬疱、牛疱を発症する家畜は無くなり、既に感染している牛馬も日に日に快方へと向かっていた。
「やっと効果が見られるようになったねぇ・・」
「うん!・・ワクチンのおかげだよ!」
「ほんまやな、これほどの効果があるとはな・・目の前で起こっていても信じられへんわ」
感染源撲滅班の方では・・。
徹底したネズミの駆除と陽鞠がエルフ族の里で採取した薬草で作ったネズミ除けを山裾に沿って撒くことでネズミのドワーフ族の街への侵入を防いだ。
早苗と陽鞠の検体検査では駆除したネズミの半数近くで感染源が見つかった。
「これで感染源であるネズミの駆除は完了ですわね」
「そうですね・・山に住むネズミ達は街中には降りて来づらくなったと思いますし・・こんなところでしょうか」
「そうだな・・こちらはこれでなんとかなったか・・」
衛生対策班の方は・・。
「・・ドワーフ恐るべし・・」
「あらあら、心愛にそこまで言わせるなんて本当に凄いのね」
物作りに関しては右に出る者がいないと言われるドワーフ族。
下水路の勾配調整の技法を説明すると瞬く間にそれを吸収して次々と水路を改修していってしまった。
また、水流を確保するための新しい水路の建設も滞りなく進み、第一地区から始めた改修工事は最終地区である第七地区まで進んでいた。
続いて、排水処理のための施設建設用にお願いした古代コンクリートの作製もその技術を伝授されるや否やあっと言う間に量産して処理槽を組み上げていった。
今はそのコンクリートを使って心愛の書いた図面に従って組み上げていた処理槽も間もなく完成する。
新しい技術習得への渇望や欲求は心愛や花梨といった生粋のリケ女に良く見られる傾向だ。
しかし、ドワーフ族は種族全体がそれなのだ。
この一週間、流石の心愛もこの光景には圧倒されていた。
「・・くっ、このパワー侮れない・・」「そ、そうね・・」
一週間に及ぶ昼夜を問わない突貫工事によって、ついに排水処理施設は完成したのだった。
最初に心愛が技術的な指導を行っただけで、その後は見ているだけで良かった。
この施設完成によって衛生対策を完了した。
ドワーフ族の里に来て十日になる。
予定していた疫病対策も順調に進み、そろそろ次の予定である妖精族の里に向かう段階になっていた。
疫病対策は順調で、気負い過ぎずに計画通り進めることが出来ていた。
組合長のハルモニアの厚意で用意してくれた宿の環境の良さも手伝って、勇作の夜のお勤めは連日、激しさを増していた。
志摩と希美から始まった勇作襲撃事件は早苗、陽鞠・・心愛、花梨・・愛理、初音、花江と複数人ですることが当たり前となっていて、昨夜はメンバーが一巡して早苗と陽鞠の順番になったようだ。
非番?のメンバーは交代でメンバー就寝時の見張りを行っているようだ。
女子ばかりにそんな役を押し付けられないので、勇作も志願したのだが・・。
「他にヤルことがあるやろ?」「こっちは私達がやるからいいよー!」
「返って邪魔だねぇ・・」「あら、いらないわ・・」
「・・不要・・」「遠慮しておきますわ」
「こちらは私達で大丈夫ですよ」
・・と全く取り合って貰えない始末だ。
「「「そんなことより夜の勤めを果たせ・・」」」
勇作にはどうしてこの組合せでこの順番なのか・・良く分からない。
早苗と陽鞠は前回同様、それぞれ薄紫色、黄色のナイトウェアを羽織って勇作の元へやってきた。
妖艶な雰囲気を持つ早苗には薄紫色は良く似合う。
一方、いつも元気一杯の陽鞠には名前同様に黄色のウェアが映えている。
一見、真反対に見える二人だが実は馬が合うらしく非常に仲が良い。
そんな仲の良い二人に呼吸を合わせて勇作は責め立てられ、いつも息も絶え絶えの状態に追い込まれる。
熱いくらいの陽鞠に包まれ、負けじと柔らかい陽鞠を翻弄するものの、時を同じくして頂を迎える。
本来ならばもう少し耐えられるはずの勇作なのだが、早苗が意地悪く陽鞠をピンポイントでサポートして来るので事実上、二対一なので勝ち目が無かった。
陽鞠が戦線離脱した今であれば、二戦目の早苗とは一対一の勝負だ。
これなら勝ち目があるぞと立ち上がり、早苗を組み敷く。
早苗に攻撃を開始した勇作だが、背筋がゾクゾクするほどネットリと包まれ、揉まれ、必死に耐え続けながら応戦していた。
そこへ運悪く陽鞠が復活を遂げてしまう。
陽鞠の参戦は早苗のサポートなどという生易しいものでは無く、火の付いた彼女は早苗との愛の交換場所以外で勇作の弱点ばかりを突いて来る。
陽鞠とも何回も肌を合わせている仲である。
お互いに弱点は知り尽くしている。
早苗からの攻撃を受け止めるだけで精一杯の勇作には陽鞠からの攻撃を防ぐ手立ては無く、またしても撃沈した。
何とか早苗も頂きに押し上げてからの撃沈だった。
今夜こそは漢を見せようと誓って臨んだ戦だったのだが、敢え無く返り討ちに遭った。
たまに思う。生き物・・人として考えた時、何をしても男には勝ち目が無いのではないかと。
美しさ、可愛さ、優しさ、柔らかさ、強かさ、しぶとさ、賢さ、堅実さ・・等々、勝てるものが見当たらない。
腕力の強さなどは勝負には関係無い。事実、彼女達は腕力では到底適わない相手に全て完勝してきている。
だが、疲れた。今、勇作の両腕の中では早苗と陽鞠が寝息を立てている。
二人の美しく、可愛い寝顔を見ながら、彼女達の笑顔を自分なりの方法で守って行かなくてはと心に誓う勇作だった。
一週間に渡る疫病対策の目処が付いたことをハルモニアに報告に行った日、全組合を上げて盛大な宴が催された。
当初は半信半疑だったドワーフ達も一貫して真摯に疫病対策に向き合ってきた勇作達をいつの間にか受け入れ、協力を惜しまず、友として接するようになっていた。
「がはは・・良くやってくれた、勇作殿・・飲め飲め、ん?これ以上は飲めないと?・・なんだなんだ、これほどの美女達を侍らせておいて漢気を見せんか!・・痛たた、何しやがるアスター・・うん?野郎共が呼んでるって?・・仕方ねえなあ、勇作殿、少し外すぜ!」
アスターは勇作に目配せするとハルモニアを盛り上がる男達の輪の中に連れて行ってくれた。
「大丈夫かねぇ?勇作・・」「いや、あまり大丈夫じゃ無いかもしれん」
「少し休んだ方が良いよ-!」「ああ、そうさせてもらうか・・」
早苗と陽鞠の肩を借りながら酒場の向かいにある高級宿へ退散した。
「・・うっ・・ん?・・」
確か昨夜は飲み過ぎて・・早苗達に部屋まで送ってもらって・・。
しかし、ベッドで寝ている自分の両隣には左腕に心愛、右腕には花梨がしがみつく様に寝ていた。
正体を無くして先に寝てしまった俺に、仕方無く添い寝してきた感じかな。
そっと二人を起こさないように腕を彼女達から外そうと試みるが上手くいかない。
逆に強くしがみ付いてくる。
「仕方無いか・・」
無理に起こすのも可哀想なので暫くの間、そのままにしておくことにした。
心愛の額に「チュッ・・」とキスする。
彼女の身体からは甘いミルク香が漂い、暫しその香りに包まれる。
次に花梨の額に「チュッ・・」とキスする。
今度は彼女本来の体臭なのか柑橘系の甘酸っぱい香りに包まれた。
彼女達はこの世界に来てからあまり人工的な香りのするものを付けたがらない。
自然界の様々な香りに触れて、それらの香りを好むようになったようだ。
どこから見てもロリ系美少女である二人の香りに包まれて寝られるのは、何とも贅沢の極みだ。
などととりとめの無いことを考えていたら心愛達が目を覚ました。
「・・う・・ゆう、さく・・おはよ・・」
「ああ、おはよう・・」
「あん・・勇作・・おはようですわ」
「うん、おはよう・・昨夜はすまなかったな、飲み過ぎてしまった」
心愛と花梨は目で頷き合うと半身を起こしてロリ系な二人とは思えない妖艶な表情をしながら勇作にのしかかってきた。
「・・勇作・・起きた?・・」「ん?・・ああ」
「こちらも起きてますわね・・ふふ・・」
「!・・い、いや、これはだな・・男の生理現象でだな・・お前達分かってて言ってるだろ?」
昨夜、相手をしてもらえなかった欲情を隠すこともせず、二人は勇作に襲い掛かる。
「ち、ちょっと待て・・俺は昨日夕方にシャワー浴びただけなんだぞ・・汗を掻いたから・・俺の言うことを聞いて・・くれ・・むぐっ」
「・・勇作の匂い・・好き・・」
「私もですわ・・この匂いが嫌だったら一緒には寝れませんものね」
一度火の付いてしまった彼女達を止める術は無く・・美味しく頂かれてしまった。




