旅立ち
「やっぱり、この国はおかしい!」
ディアは教会での出家の儀式の後、ますますこの国の違和感が気になって仕方なかった。
本来は、魔王国へ帰還して再びマクマグと共に働きたいと吉備王を持っていたが、再三帰国願いを全てマクマグが不許可していた。
マクマグは、現在の人族には住みにくい魔王国に人族であろうと思っているディアを呼び戻すことをためらっていた。
そんな時、冒険者リーダーのランドがディアの元を訪れていた。
「ベスタが出家して以来、リウと二人きりだと、キツイんだ! しばらく手伝ってくれないか?」
ずっと冒険者をさけてきたディアではあったが、毎日釣りくらいしかやることがない現状で、自分自身を持て余していた。
「あくまで、臨時ということなら、協力するよ!」
「よし! よろしくな!」
こうしてランド、リウの冒険者グループにディアが参加することになった。
「それで、オレは何をすれば?」
ディアは少しドキドキしながら尋ねた?
「それが・・・・仕事はこの国ではないんだ! 実は王国で今冒険者を集めてるらしくてな!」
なんでも、ランド自身、依頼内容ははっきり知らないとの事であったが、現在王国のある貴族がランドのような冒険者を密かに集めているとの事である
「なんだよ、それは・・・・」
ディアはあまり乗り気ではなかったが、この国にこれ以上長いしたくなかったため、渋々ながらランドたちと一緒に王国に向かうことにした。
数日後、ディア達は旅支度をして乗合馬車の乗り場に集合した。
「なんだよベスタの奴、見送りに来ないのかな・・・・」
ランドはベスタに会えなくてかなりがっかりしている。
「前から変なやつではあったけど、出家してから違う意味で変なやつになったよね・・・・」
リウは最近のベスタが気持ち悪いと感じていた! 以前は少し粗暴な馬鹿なやつというイメージであったが、いまはどこか薄っぺらい好青年になっていた。
3人はベスタと会えずに、後ろ髪をひかれながらも馬車に乗り込み、出発した。途中、馬車は休憩のために町はずれの教会に立ち寄った。
「皆さま、お疲れ様です! お疲れでしょう・・・・どうぞお召し上がりください!」
神父が薄ら笑いを浮かべながら、差し入れの飲み物や軽食をすすめてきた。
ディア達は、相変わらず神父は気持ち悪いと思いながらも、飲み物や食べ物に罪はないと、出されたものをすべて平らげた。
やがて、満腹になったからなのか、そのまま馬車の中で眠りについてしまった。
「今日は何人だ?」
ディアは悪魔のために眠り浅いのか、外の話声が耳に入ってきた!
「今日は男が3人と、女が2人です」
どうやら、馬車の乗客の話をしているようだ。馬車にはディア達3人とカップルが乗っていたからだ。
「馬鹿な奴らだ! 教会員でもないものが、この国から出ることができると思っているのか! さっさと、こいつら全員出家にするぞ!」
デイアは寝ぼけながらも、何かきな臭い話になってると気づいて、隣で寝ているランドとリウに声を掛けた。
しかし、2人ともまったく目を覚ます気配がなかった。
「これは、困ったな・・・・」
ディアは馬車の隙間から外の様子を探りながら思案している・・・・




