ロバート対大男
「ちょっと大きいだけの人間がオレに敵うはずないだろう!」
ロバートはレイピアをくるくる回しながら笑っている。
「貴様、何者だ!」
大男はロバートを睨みつけながら、予備の大ナタを両手に1本ずつ掴んだ。大男の足
まだまだ大鉈が転がっている。
「俺様はロバート子爵様だ! それにしても、お前何本鉈持ってるんだ!」
ロバートは自らが人間の時の爵位を答えた。
「な、なんだと・・・・貴様、爵位持ちだと・・・・」
大男は何かを勝手に勘違いしているようだ!
「どうりで・・・・どのみち今日は貴様たちと戦うつもりはなかったことだしな・・・・」
「うおおおおおおおおおおおっ」
大男は両手に持つ大鉈を投げ捨てて突然うなりをあげた。
「は、はい? な、なんですか?」
ロバートは大男の突然の奇行に思わず後ろずさった。
「おおおおおおおおっ」
さらに、気合を入れるように声を荒げた大男の体の全身に小さなひびが入った!
「があああああっ」
大男の体の表面がはじけ飛んで、その体が二回りほどもさらに巨大化した。
「な、なるほど・・・・面白い芸だね!」
ロバートはやっと戦いが始まると思いレイピアを構えなおした。
「どごおおおおおおっ」
大男は自身の足元を両手の拳で殴りつける。
「どごおおおおおっ」
大男の怪力により大男とロバートがいた周辺の地面が崩壊する。突然足元を失ったロバートはなすすべなく、吹き飛んだ!
「おい、ロバート生きてるか?」
馬に乗って移動してきたワクが地面に埋もれているロバートに声を掛けた。
「ドバッ」
土の中から顔を出したロバートは顔をキョロキョロと振って大男を探した!
「あの野郎、どこ行きやがった!」
「ロバート殿、とっくに逃げてますよ・・・・」
あきれ顔のチンクルが答えた。
「それにしても、あのまま、突っ込んできてくれれば、ぶち殺してやったのに、図体のわりに慎重なやつみたいだな・・・・」
ワクは少し面白くなりそうな雰囲気にワクワクしている。
「無事だったか! お前が戦いもせずに逃げ出すなんて珍しいこともあるものだな!」
仲間の元に戻ってきた大男をねぎらいながらも、何かいつもと違う行動を男はいぶかしがっていた。
「ヤツの話をきいたからです・・・・」
大男は何やら深刻な表情をしている。
「なんだっていうの? せめて一太刀くらいかわさないと、何のための偵察なんだか・・・・」
女は大男が戦いもせずに逃げだしたことに怒っている。
「そんなことをしたら、オレはここに戻ってきていないだろう・・・・」
大男は少し震えながら話を続けた。
「奴ら、どうやら悪魔です!」
「悪魔か・・・・」
男たちは、ワク達が人間ではないと感じてはいなかったが、悪魔だと知って少なからず動揺した。
「だけど、下級悪魔くらい、あんたでもどうにかなるでしょう!」
女は悪魔だという理由だけで逃げ帰ってきたことが、やはり不満であった。




