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さて、次のステップのお話です。

 





 さて、いよいよ第2ラウンドってところかしら。





 いよいよこれから迎えるイベントラッシュ、その最初のきっかけは学院で開かれる一大行事、アランダートル王立学院芸術祭。

 芸術祭なんて名前だけれども、実際は前世で言うところの学園祭に近しい性質のイベント。

 だから普段は生徒以外立ち入り禁止の校内に観客も大勢訪れる。

 基本的には生徒の親族に限定させるのだけど、それでも当日の警備は平時より格段に強化される事になる。


 さて、芸術祭では各個人最低2種の発表及び、自主製作作品の展示を義務付けられていて、その内の1つはクラスでの研究発表とするのが暗黙のルール。

 研究発表のテーマ選択は比較的自由で、王国の歴史の研鑽や各領地における経済的流通の考察なんて真面目な題目を選ぶところもあれば、市井内での流行の変遷やら、快適に過ごせる避暑地100選なんて言う随分と趣味に偏った題目もあるらしい。

 特に上級生になればなるほどバリエーションに富んだ題目を選ぶ傾向にある。

 確か第四学年になられるセドリック様のクラスなんかは、歴代王室で起こったハプニングベスト10なんて挑戦的な内容だった筈。

 普通なら不敬も良いところのこんな内容の題目が許可される訳ないのだけれど、提案者が他でもないセドリック様だったせいで半ば強引にOKが出てしまったのよね。

 何やっているのかしら、彼の方。


 ちなみに王立学院は五年制の学び舎。

 卒院後研究機関に進む人間もいるけれど、その数はごく僅か。

 特に女性は結婚して家に入るか、お相手探しに邁進しなくてはいけない為、大半はそのまま卒院していくか、展開の早い人なら中途卒院の道を選ぶ。

 入学をするのは13になる年だから卒院する頃には18だもの、20を超える女性は行き遅れと囁かれるこの世界は、前世に比べると随分と忙しない印象を受けるわよね。


 16になると王城で開かれる夜会なんかにも参加が許される様になるから、そこからが本番だと考えているご令嬢も少なくないみたいだけれども。

 でも、基本的に高位の貴族子息女程早く婚約者が決まっていくものだし、フィリクス様みたいに既に幼い頃から婚約者が決められている方もいらっしゃるから、おちおちゆっくりもしてられないって考え方もあるみたい。


 さて、そんな豆知識は一旦置いて芸術祭の話題に戻すと、実はイベント主体で考えるならばクラス発表よりも選択発表の方が重要になる訳で。

 芸術祭と言う名前の通り歌劇や、演奏の発表、ダンスの披露、それに男性限定で武舞や剣舞なんて選択肢がある。

 逆に女性限定で刺繍の製作や、詩や短編の物語を集めた冊子を製版したり、何だか既視感を感じる様な内容の展示もあり、様々だ。

 原則同じ内容の発表や展示製作は学年関係なく合同で行う事になっている為、必然的に他学年との交流の機会も増える。


 そして、この発表の選択によって今後の展開が大きく変わってくるのだ。

 分かりやすく、目的の攻略対象と同じ選択をすれば練習時間や製作時間を共にする事になるからイベントの種類も増え、好感度の高さから王国救済後ルートに入りやすくなる。

 勿論選ばなかった対象ともイベントは起こるから、一概にコレがルート選択になると言い切れはしないけれど。

 まずそれ以前に、全員と好感度を上げておかないとルート選択どころか王国救済すら出来ないものね。

 後は例外としてフィリクス様なんかは、当たり前の如く男性限定の剣舞を選択するから同じ物を選べないし。



 つまり反対に言ってしまえば、どの選択をしてもキチンと立ち回りさえすれば王国救済に必要な好感度は獲得できると言う事。

 だからこそ、私はイベントに振り回されず好きな選択をする事が出来るのよ。


 それならば、当然私が選ぶ選択は1つだ。

 それは、ローランド様と同じ選択!


 実はローランド様が選ぶのはダンスの披露。

 ダンスの披露って言っても前世の感覚で行くと創作ダンスや、集団で踊るグループダンス演技みたいな物を想像しがちだけど、これは夜会なんかで行われるダンスの方で。

 貴族としてはダンスが踊れる事は当たり前のマナーの1つだから、学院の生徒は誰しも一通りは踊れる事が前提。

 そこから男性なら如何にパートナーを上手くリード出来るか、逆に女性ならそのリードの邪魔をせず、その上で如何に上手く立ち回り美しさを表現できるか、そう言った部分を練習して当日披露する事になる。

 これが案外難しくて、大勢の中で踊るとその技量が明らかになってしまうのだ。

 だからこそ頑張り甲斐もあるし、それなりに練習をしなくてはいけない、



 でも、ローランド様がダンスを選ばれるのは少し意外に思うわよね。

 だって、剣技が得意なローランド様ならフィリクス様と一緒の剣舞を選びそうなものだもの。

 でも、ユリオット様が数ある選択肢の中から消去法でダンスを選ぶだろうとローランド様は考えて、彼を放っては置けずにダンスを選ぶのよ。

 本当に優しい御方。

 ユリオット様が少し羨ましいわ。



 それにしても、同じダンスを選択すると言うことは練習にしろ、本番にしろローランド様と踊る機会もある訳で。

 どうしましょう、今からドキドキしてきたわ。

 足なんか踏んでしまって失望されてしまうのだけは避けたい。

 ちょっとこの判断、大胆すぎたかしら。

 でも、この機会を逃すわけにはいかないわよね。

 今からダンスのレッスンに励むしかないわ。


 それにユリオット様とも同じ選択になる訳だから、頑張ってイベントも熟していかないといけないんだから気を引き締めていかないと。




 さぁ、これから始まる芸術祭への日々。


 不安と期待が織り交ざるイベントの始まり始まり。









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