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聖女のパパも楽じゃない  作者: 2626


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18/20

第18話 圧倒

 『これで相手が【機鋼魔兵】だったら、とうの昔に大破しているんでしょうけれどねー』


 火器管制と姿勢維持と索敵、【悪魔】のモニタリング等々を同時並列(マルチタスク)でこなしながら、レベッカは呆れた声を出した。

『流石は【聖女】にしか倒せない【悪魔】ってところかしら? タフよねえ、本当!』


 「俺達は所詮は足止めだ」

キールは操縦しながら冷静に相棒の軽口を流す。

今まで初心者のような動きしか出来なかったのに、今の彼は己の手足のように自由自在に【機鋼魔兵】を駆っているのだった。


 「【聖女】が来てくれるまで時間を稼げれば十分さ」

 『そんなこと言っちゃって。 本当は戦うのが楽しいくせに……』


 嘘をついたってバイタルチェックで一目瞭然よ。

 レベッカはチクチクと嫌味を言う。


 女の嫌味のチクチクに含まれた毒の痛みにたまりかねて、キールはほんの少しだけ反撃した。

「うるせえぞ。 マリ達が来るまでに少しでも弱体化させとかなきゃいけないだろうが!」

そう言いながら彼はマジックワイヤーランスで【悪魔】の体をぶち抜いて、そのまま王都から遠ざけるべく超加速して引きずった。

『そんなことを言っているけれどー。 15年前には勝手な命令違反を10年弱で5回もやってー。 営倉には4回放り込まれて―。 厳重注意は12回でー。 ヘレネちゃんには「先輩のことは尊敬していますけれど、正直……苦手です」ってドン引きされてー。

……あーあ、男ってのは図体がいくら大きくなっても中身はガキんちょ(・・・・・)なのよねえ。

まあそんな中身ガキんちょのクサいおっさん相手に本気で惚れているアタシも相当なバカだけれど。 嫌になるわ、真剣に!』

「そうかい。 だったら地獄まで一緒に行くぜ!」


 ――彼らの乗る【機鋼魔兵】のモニターに、複数の巨大反応。


 とうとう、彼らの目視できる距離に【聖女】シルバーとマリや【聖騎士】達の乗る【機鋼魔兵】が姿を見せた。




 『ああああああああああああああああああああああああああぁあああ!!! ぱぱぁああああああああああああああああ! たべたいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』


 【悪魔】が引きずられながらも絶叫し、激しく藻掻いて抵抗しようとした時。

軽量化を極めて超高速度に特化したシルバーの【機鋼魔兵】『アージェント』が、ツインサーベルを両手に真っ先に飛んできた。


 「――はぁああああああああああああああああああっ!!!」

『アージェント』がまばゆい光を放ち、ツインサーベルが鋼の色をきらめかせた瞬間。


 『ぎぃゃあああああああああああァ――!!!!』

 【悪魔】の巨躯がそのまばゆい光に焼かれるようにして消える。




 その光が収まると、【悪魔】がいた場所にはびしょ濡れのララ・ギボウの体が倒れていた。

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