第71話 譲れない思い
「ぴよっ! ぴよよよよ~!」
「おぉ、いいぞピヨヨ!」
コンを戻し、新たにピヨヨを召喚して戦わせている。
決して顔全体舐められた腹いせじゃないよ!
ランクC魔物のハーピィである彼女、実は出会った時のスララを見て、自分も強くなりたいと自ら従魔になったらしい。
意思の共有でも常にピヨピヨ言ってたからわからんかったわ!
んで、なぜ最近になってなぜそれがわかったかと言うと……。
「ぴよよ~! レージ、ちゅきっ♪」
「はは、ありがとな!」
このように、言葉を少しずつ話せるようになったからだ!
これもノノとドペ子のおかげである!
「ぴよっ! レージ、ちゅきー♪」
「ああ、ありがとな!」
好意に対してお礼を言い、それに対してさらに好意を……。
さっきから無限ループである。
「ふふ、レイジはみんなに好かれてるね! ノノさんも大変だ」
「……」
お前ほどでもないぞ!
てか、ノノさんがさっきから黙りこくっているのだが……?
「ノノ?」
「……!」
いてっ!
いつもの腹パンではなく、ポカっと軽く殴られた!
「……」
はっは~ん、わかったぞ! 嫉妬だな!
けど俺は空気の読める男、それを口にはしないぞ!
「はっは~ん、わかったよ!」
おいユートやめろ! 死ぬぞ!
「ふふ。やっぱり、レージは愛されてるね!」
「ははは」
ふぅ、寸でのところでお茶を濁せたか。さすが勇者。
……濁せたのか?
◇
「ぴよ~っ! レージ、ちゅきー♪」
「お、おう……」
先ほども出たホワイトパイソンを引きちぎりながら――。
「ぴよっ! レージ、ちゅきー♪」
「う、うん……」
ランクB魔物、ミノタウロスをノノの支援を受けて蹴り殺しながら――。
「ぴよよよよっ!? レージ、ちゅきーっ!?」
「えぇ……」
ランクB魔物、アルラウネに蔦で絡めとられながらも――ってアルラウネ!?
「ユート助けてやって!」
「はーい!」
蔦を一閃、そして聖剣の腹の部分で当身、見事にアルラウネを昏倒させた!
全体的に緑っぽいが、人間の美女の姿で倒れている彼女……えっろ!
「よっしゃ、テイムだ!」
「うん! レイジ、彼女に優しくね!」
納得ブームに加え、感謝ブームのユートくん。
もちろん――っと、そうだった。
「ピヨヨよ、さすがにピンチの時に『レージ、ちゅき』はないぞ……?」
最期の遺言でもあるまいて……。
「あー、コホン。レイジ君レイジ君、聞き給え。レイジ君、その話題は、許されない」
どこかで聞いたことのある言い回し。
しかし、なぜ許されないのか……。
「レイジ君、僕の命が脅かされる前に……気づいて! 魔物図――かはっ!?」
「ユ、ユートォッ!? ユートォォォッ!?」
ノノの光弾が容赦なくユートの顔を打つ!
さすがにひど過ぎるぞっ!
「魔物図鑑、見たら……見たら……」
「……み、見たら……?」
「見たら……や」
『や』
◇
「あっは! さすがノノさん! 守るべきもののために容赦しないね! 凄いよ!」
「当然」
ユートお前……顔からぶっ飛ばされても笑顔って……。
お前の方が凄いよ!
「……本当に……羨ましいくらい……」
「……」
お、おいおい……!
まさか、ダンブルダルフたちとの件をまだ引きずってるのか!?
「……けどね! 僕も負けない! 必ず望みを叶える! だから……宣戦布告だよ、ノノさん!」
「……」
ノノに対してのセリフのはずが、俺をチラリと見るユート。
……え? やっぱり……そういう事!?
俺のことを……ノノと奪い合うってこと!?
「……受けて立つ」
「うん!」
受けてたちゃうの!?
いいの!?
「ふふ、何だかすっきりしたよ! 」
「……ごめんねは……言わないことにする」
「うん! 僕らは……何があっても友達だよ! だから、その言葉はいらない!」
「……うん」
「……僕も……言わないよ?」
「……いらない」
……。
おいおいおい! 何か俺だけ疎外感!
何でだよ! 俺を取り合う話だろう!? 何2人で仲良くしちゃってんのさ!
「ふふ、そろそろレイジが嫉妬しちゃうね!」
「ん」
ぬがぁぁァアアアーーーッッ!!!
読んで下さりありがとうございます(/・ω・)/
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また、こんな魔物が見たい! こんなアトラクションあるよ!
なんてアドバイスを頂けると非常に嬉しいです(切実)
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