第69話 魔物図鑑について
「で、結局その『魔物図鑑』は誰が?」
パークの見学も終わりそろそろ解散かというところで、ふとノノさんが声を上げる。
「……わかり、ません……異世界、から来る勇者様の、能力は……謎に包まれて……もしや研究できるっ!?」
「かつての勇者様について記された書物では、世界の意思だとか神……セイロス神が授けたものだとも言われていますな」
神!!!
そうだ、俺はどうしてそも可能性に気が付かなかったんだ……!?
「神様、ですか。本当にいらっしゃるんでしょうか……?」
恐る恐る……真実を知ることが怖いかのように、ユートが尋ねる。
「いないでしょう」
「いるでしょう」
この世界有数であろう2人の研究者が同時に異なる見解を述べる。
シュネイプさんがいない派。
ダンブルダルフがいる派。
「この世界を見ればわかります。魔物が溢れ人々は常に命の危険に晒されている。それこそ、異世界の方に助力を求めなければいけないほどに。あまりにも救いがなさすぎる。神とは、人々が救いを求めるために創り出した偶像に過ぎない」
「それは少々人に偏った見方ですな! 知れば知るほど不可思議な魔物の生態、そして明らかに超常の存在である神獣、これらだけ見ても我々の理解の及ばない上位存在がいることは明確!」
「む?」
「むむ?」
……。
何か……始まったぞ……!
「理解不能と言うだけで上位存在がいる証拠にはなりません。それは生命の尊厳を、進化や環境適応力と言った神秘的とも言える能力を否定するだけでなく、思考を放棄した愚行としか言いようがありません」
「救いがないと言いましたが、それはまだもたらされていないだけでは? 生物全体でみると人類はやや種としての数も多く、むしろどの生物よりも発展していると言えます。自然界では弱肉強食が絶対のルールであり真理です。多少数を減らしたとて、それは救いが必要であるとは言えません」
「むむむ!?」
「むむむむ!?」
どうやら2人の研究者の何かに火をつけたようで、延々と言い合いが繰り広げられることとなった。
「あはは、どうやら2人にもわからないみたいだね!」
「そうだな~……」
異世界召喚された時も神様には会っていない。
「グランヘイムの人からは私たちの能力について『初めて魔力に触れることで魂や体に変化が生じる際、本来宿っていた資質が何らかの理由により指向性を持って伸ばされたのでは』って言われたっけ」
いや、ミライよ……よく覚えてるな。
それも資質が伸ばされた結果ですか?
しかし、それっぽいことを言っているが多分間違いだと思う。
意味がよく分からないし、何よりも――。
何だよ『魔物使い』って! どんな資質だよ!
俺にもくれよ『勇者』か『賢者』!
「で、よ。もしもその魔物図鑑の説明が神様によるものだとしたら……わかるわよね?」
「おう」
適当な魔物をテイムしてはある名前を付け、そしてリリース……といったことを繰り返す。
それはきっと、祈るよりも効果的だ。
魔物からしたら少々勝手だとは思うが、まぁ人間による名付けなんてどうでもいいことだろう!
名前は……そうだな、シンプルに『カミヨ、メッセ、シテ』で!
ちょっとお茶目な感じでいいと思うぞ!
「神はいます! 絶対に! この世の者とは思えないほど美しくエチチな女神が!」
「神はいない! いたら……いたら私はもっとイケメンにチヤホヤされているもん! きっとそうだもん!」
結局、そこに行き着くよね~……。
この時の俺はまだ知らなかった。
このことが……後にとんでもない事態を引き起こすことになろうとは。
読んで下さりありがとうございます(/・ω・)/
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また、こんな魔物が見たい! こんなアトラクションあるよ!
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