第68話 できることがあるなら
「しかし……本当に魔物に触れられるとは……!」
お? やっぱり興奮したか?
あの後、ミルキーさんとスノラビたちにも必死に謝り、どうにか出禁を解除されたダンブルダルフ。
ピョン子には触れさせたくないらしく、ピョン太が己を差し出すことで守っている。
かわよ。
「ふむ……こ、これは……!」
「どうしました?」
「この最高の触り心地のもふもふ……毛皮ですが、本当にただの毛皮のようですね」
何を言っているんだ? 当り前じゃないか……。
「? そうですけど……」
「ああ、言葉足らずでした。厳しい環境にある魔物は大抵魔力で体を覆い、それに対抗するのです。特に毛皮や鱗などは魔力を増幅させたり……言ってみれば自然のコレのようなものですね」
そう言ってミライが作ったアクセサリーを掲げる。
「しかし、このスノラビちゃんたちの毛皮は本当にただの毛皮! だからこそ……番や兄弟で寄り添い合い、暖を取るのでしょうなぁ……」
「へぇ~! スノラビちゃんたちがよくくっついてるのにはそんな理由があったんですね!」
確かに、よくくっついてるし夫婦仲がとっても良い。
「ですので、環境を変えてしまうと思わぬ事態……仲違いを頻繁に起こしたり、最悪の場合は共食いにまで発展する可能性も否めません。もちろん、ここの環境は文句なしですが!」
「あわわわ……それは危ないところでしたね~……」
ミルキーさんと頷き合う。
最初は魔物側に耐性を付与する予定だったからな……危ない危ない。
ともあれ、ミルキーさんとダンブルダルフの関係もうまくいきそうで一安心だ。
「……やっぱり寒い」
「……そうだね」
ピトッとくっついてくるノノさん。
おかしい、俺のアクセサリーも壊れちゃったようで、寒い。
「……」
「……」
あたたか~い!
「……去ね!」
ミミ、ミルキーさん! ごめんなさい!
◇
「お次はコロシアムですね。現在とある問題が発生しておりまして……」
戦わない問題。
というよりも……もう1つ懸念が……。
「……概要は聞いている。植物の中には、特殊な花粉で周囲の魔物を興奮させて殺し合わせ、その死骸を養分とする種類もいる」
「おぉっ! それなら……!」
「しかしそれは賛成しかねる」
優れない顔のダンブルダルフとシュネイプさん。
「我が君よ……我々は決して魔物至上の愛護主義者ではありません。寧ろ研究のためとその命を奪うこともあります。ですが、常に心に刻んでいる思いがあります」
「……教えてくれ」
「それは、『感謝』です。我々の糧になってくれてありがとう、命をありがとう。先に進むために使わせていただきます、と。まぁ、自己満足に過ぎませんが……」
「……」
そう、だよなぁ~……。
前回のタイガーとドラゴンの最期に、みんな薄々感じていただろう。
完全に命を弄んでしまっている。
いくら何でも……目も頭も……曇り過ぎていたな。
「僕は……そうだ、僕は何て酷いことを……!」
「……」
ユートが膝から崩れ落ちる。
しょうがない、俺たちは焦っていたんだ。
コロシアムこそが、1番目的に近づけるという思いもあったのだから……。
「コロシアム、なくなるの?」
「いえいえ、なくす必要はありませんよ、奥方様!」
お?
「人間にも、その武勇を競う大会はありますでしょう? それと同じですよ! 参加者自身が納得し、自ら参加するのであれば我々は何も……それどころか、ぜひ見てみたいですなぁ!」
「そう、ね……正直、植物系の魔物が、全てを蹂躙するとこ……見てみたい……くひひっ!」
所詮は心のありよう、だからこそ心が。
「……そうだな。参加させるのは野生の魔物ではなく、テイム済みの魔物から希望者を募り、何らかの報酬を与える、と言うことならいいかな?」
「ええ、それなら……賛成……くひひっ!」
よかった、うまくまとまったぞ!
「僕は……僕はなんて当たり前のことを忘れていたんだ……! こんなんじゃ優愛に顔向けできない……」
「仕方ないじゃない! その優愛ちゃんに会うために必死だったんだから!」
「そうですよ! ユート様は極限の状態で……寧ろそうさせてしまっていた私たちに非が!」
ユートはきっと大丈夫だろう。
しかしユートめ、美女2人に揃って慰められるとは……けしからんやつめっ!
「……レイジさんも似たようなもんですからね?」
ピピン!? いつの間に……!
読んで下さりありがとうございます(/・ω・)/
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また、こんな魔物が見たい! こんなアトラクションあるよ!
なんてアドバイスを頂けると非常に嬉しいです(切実)
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