第59話 見せられないよ!
「そしてレージは言った。『ノノ、助けてくれ! 俺にはお前がいないとダメなんだ』と」
長い長い魔王との戦いの話。
ユーフォニアさんは神妙な様子で、時に驚き、時にはわはわしながら……。
いつの間にかマリアさんがいなくなり、代わりにノノがやってきて……。
そして記憶にも記録にもないことを言い出した。
「そんなこと言ってない」
「……このように、レージはとても照れ屋」
「照れてない。事実を言っただけ」
ほら見ろ! ユーフォニアさんがポカーンとしてるぞ!
「……すごい……すごく、大変な思いをされたのですね……」
「あ、うん。正直何度も死にかけたよ」
ぽろぽろと涙を流すユーフォニアさん。
「この世界のために、ありがとうございます……」
「……」
決してこの世界のためなんかじゃない。
そしないと、元の世界に戻れないから……必死に戦ってきただけ。
何なら、この世界の人間全てが憎くて――。
「それと……ごめんなさい。こちらの都合でこの世界に連れてこられて……大変な目に合わせてしまって……」
「……いや」
目の前の少女にこんなことを言ってもしょうがない。
だから、必死に言葉を飲み込む。
「この世界のためって言いたいところだけど、頑張れたのは仲間がいたからさ。それに、ユーフォニアさんが謝ることじゃないよ!」
間違ったことは言っていない。それに、強いて言えばグランヘイム国王が悪い!
「実は私は異世界に来られてよかったと思っている」
「そうなのですか?」
「うん。実は私は美しい外見と引き換えに、とてもお肌が弱い。だけど、この世界に来てからは体が丈夫になったみたいで、そのことを気にしないで動き回れる」
元の世界では……外に出るたびに日焼け止めを塗りたくったり、サングラスをかけたり……色々してたものね。
ものぐさのノノさんはその辺を忘れることも多々あったしね。
「ノノさんはとても美しいんですね!」
「うん」
この自信は一体どこから来るのだろうか。
美しいというか、ちっこくて――……可愛い系だぞ!
「ユーフォニアも可愛いから、いいコンビになれる」
俺のことをじとーっと睨みながら、ノノさんが言う。
いいコンビとな。
「私が……可愛い、ですか?」
「うん」
まぁ、可愛い。
「……う、嬉しい、です」
照れて俯くところも可愛い。
「あ、あの……私のことは――ユーフィとお呼びください。もちろんレイジ様も……」
「わかった、ユーフィ。私のことはノノちゃんと呼んで」
ノノちゃん……?
今までご両親とうちの親以外呼んでいるのを聞いたことがないのだが……。
「わかりました、ノノちゃん! えへへ……」
にこやかな笑顔ではなく、はにかむような笑うユーフィ。
2人のファーストコンタクトはいい感じにいったのではないでしょうか!
「失礼します。我が父、ディル王がレイジ様とノノ様をお呼びです」
会話もひと段落、といったところでマリアさんからお呼び出しを受けてしまった。
◇
案内されたのは、どうやら王の私室らしい。
なぜかマリアさんもその他の護衛なども同席しないというのが気になるところ……。
クラリス姫は何しているのだろうか……。
「失礼します……」
そしてノノと2人、扉を開ける。
そこに待っていたのは――。
「……」
綺麗に土下座をしているラインガルド国王だった。
うん、こりゃ他の人には見せられないわ。俺も見たくなかったわ。
読んで下さりありがとうございます(/・ω・)/
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また、こんな魔物が見たい! こんなアトラクションあるよ!
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