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『セバスチャン』は増殖し続ける  作者: セバ山スチャン太
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なぜ多くのネット小説に『セバスチャン』が登場しているのかの考察


<<『セバスチャン』=『有能執事』という図式はもはや常識>>



『セバスチャン』は様々な作品に登場し、家事から戦闘、内政・外交まで幅広い活躍で主人公をサポートしてくれる有難い存在。


ここでは、近年の創作物においてなぜこれほど『セバスチャン』が登場するようになっているのかについて考えていきたいと思います。



◆◇◇◇◇



【  1-1 セバスチャンの便利さ 】


セバスチャンが多数の作品に援用される理由としては以下の2点において「便利だから」というのが最も大きいと考えられます。


① セバスチャンは登場作品ジャンルを選ばない

② セバスチャンを登場させることで描写を大幅カットできる



【  1-①バスチャンは登場作品ジャンルを選ばない 】


セバスチャンはネット小説でよく舞台として選ばれる『中世ヨーロッパ風な異世界』に居ることは自然ですし、『現代モノ』や『SFモノ』など幅広い作品ジャンルの作品に登場させることができるのです。


作者が主人公を自由に動かすためにサポートするキャラを登場させたいと思った時に、セバスチャンなら大抵の場合『セバスチャン』という名前ごと援用することができてしまうです。



【  1-②セバスチャンを登場させることで描写を大幅カットできる 】


多くの場合、セバスチャンは最初から有能とされます。なぜなら『セバスチャンは有能』という()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()であるからです。


このことによって主人公は様々な問題をセバスチャンに丸投げすることによってあっさり解決できてします。


例えば家事から内政・外交・研究開発に至るまで、ありとあらゆる難題を、


――――――――――――――――――――――――

主人公「セバスチャンよろしく」

セバス「はい。承りました」

――――――――――――――――――――――――


たったこの二行の描写で解決してくれるのです。


なぜならこの描写だけで読者は『セバスチャンならやってくれそう』と勝手に納得してくれるからです。


これがもし主人公の幼馴染ポジションのキャラクターであれば、その仕事を任されるために必要な能力をどの程度持っているか、どうやってその能力を得たのか等についての背景を説明する必要があり、場合によっては勉強したり修行に行ったりする描写をしなくてはならないところでしょう。


しかしセバスチャンであれば最初から有能なので勉強も修行も必要もないし、失敗の心配もないのでその様な描写が全カットできるため便利なのです。



◇◆◇◇◇



【  2-1 セバスチャンは改変可能なフリー素材 】


『セバスチャン』という名称及び概念は人々の中にフワッとしたイメージ像が既に出来上がっています。


読者の中に共通理解が広まっている他のキャラクターとして例えば『ドラえもん』が挙げられますが、著作権よって守られているドラえもんを勝手に自作品に登場させることは出来ません。


しかしセバスチャンであれば大丈夫。


しかも、セバスチャンは「有能執事」というベースにのっとりつつ、細部については改変が可能という利点もあり、作者がその作品独自のオリジナリティを付与することも可能なのです。


戦闘特化で筋肉質なセバスチャンもいれば、主人公の代理までこなす影武者的なセバスチャンもOK。セバスチャンは自由自在にその存在を変化させ、どんな作品にもフィットさせることができるのがセバスチャンというキャラクターの特徴なのです。



◇◇◆◇◇



【 3-1 セバスチャンは増殖する 】


セバスチャンを援用する作品が増えれば増えるほど、人々のなかに『セバスチャン=有能執事』という()()()()()()()の共通理解は広まります。


そのことによってさらにセバスチャンの援用がしやすくなるので、さらにさらに他の作品でも援用しやすくなるという好循環が生じます。


この現象はさながら()()()()()()()()()と言えるのではないでしょうか。


セバスチャンの共通理解は、その存在を援用する作品とともに増殖し続けているのです。



◇◇◇◆◇



【 4-1 セバスチャンの危うさ 】


とても便利なセバスチャンですが、一つだけ危うさをあげるとすれば、それは「セバスチャンという概念を知らない新規読者の存在」が挙げられます。


『セバスチャン=有能執事』という共通理解を持っていない人からみれば、特に背景描写もなくいきなり現れて当然の様に大活躍をする有能執事の存在は謎でしか無いでしょう。


これがセバスチャンの危うさ。


たとえばもし仮に100年前の読者が現代のネット小説に登場するセバスチャンというキャラクターを見ても謎にしか感じないでしょうし、そしてそれは100年後に読者についても言えるかもしれません。


セバスチャンという存在が語られなくなったとき、セバスチャンの共通理解は機能を失い、セバスチャンの有能執事設定は謎な存在となってしまうのです。


この現象は()()()()()()()()()と言ったところでしょうか。



◇◇◇◇◆



<< まとめ  >>



① セバスチャンは作品ジャンルを選ばず登場させることができ、また背景描写を大幅カットできるので非常な便利


② セバスチャンは改変可能なフリー素材と化している


③ セバスチャンを援用する作品が増えれば増えるほど、セバスチャンに対する共通理解は広まる


④ 共通理解を持たない人にとってはセバスチャンが有能過ぎる理由が分からず、謎にしか思えない危うさがある



要するに、セバスチャンは創作において非常に便利なキャラクターなのでどんどん自作品に登場させて、いつまでも活躍させ続けましょうという事です。


これはセバ山が書いた(設定の)前話の文章を、作者がなろう風に書き下したものです。

内容としては前話と同一です。



なおこの創作論エッセイは自作品のパロディです。よろしければ以下のパロディ元も御覧ください。


『小説家になろうで0PV 0PT 0ブクマを獲得するための最強『読まれない小説の書き方』戦術』

https://ncode.syosetu.com/n8975fi/

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