49:赤竜の領域に来たと思ったら青竜に遭遇した件について
――赤竜の領域である砂漠に入って数時間後。私達は緋化の群れに囲まれていた……――
そもそもこうなったのは赤竜の領域に入って間もなくの出来ごとからだと思う。
というのも、領域に入って、社畜号を出して乗り込もうとした時、緋化がこちらを観察していたからスル―しようとしてたのにいきなり牙をむいてきたから佐藤が黒竜のとこのときみたいに切っただけなのに。
『まぁ、緋化も執念深さがあるものね。』
「理不尽だ……轢くのもあれだしどうしようかなぁ……」
「隊長は緋化の肉は焼けばうめぇって言ってたけどな。」
「食べたくないって。」
社畜号自体に武装なんてつけてないしなぁ……
そう思いながら動けなくて暇だからカーステレオを流したら……
「……ねぇ、白竜さん。緋化って耳あるの?」
『些細な音も感知することもあるらしいから耳はいいはずよ。』
「おー……すげぇ勢いで離れてくな。」
緋化がギギャーと叫びながら逃げ出した。
いい曲なのに……某音声ソフトの曲……
『さ、お嬢さん。このまま進んじゃいましょう』
「そうだね。ほら佐藤漕いで。」
「はいよ。」
しかし、電動自転車仕様にしててもやっぱ砂地でペダル漕ぐのはきついなぁ……
……あ、そういえば太陽光充電も出来てたんだっけ……
「佐藤漕ぎやめて大丈夫かも。」
「ん?」
社畜号のハンドルの横には赤い小さなボタンが1つ。
そのボタンをぽちりと押せば足元のペダルが地面と平行になり、バッテリー走行モードに移行完了した。
ふふん、ここからが社畜号の本気さ!
わ、忘れてたとは言わないよ……?
社畜号は1回ブオン、と強い音を出して、最初はゆっくりと走り出し、すぐに勢いに乗る様に速度も安定してきた。
「おー、この車はこんなんもできたのか……」
「うん、好調好調。白竜さんはどう?」
『面白いわね。あ、お嬢さんこの辺から少し右の方に進路をずらして行ってもえるかしら?』
「右の方?わかった」
その方向に何があるのか、私はさすがにそこまで理解していなかった。
だってさ、青竜の領域が赤竜の領域の中にあるのは知ってたけどどこにあるのかまで知らなかったんだから!!
「……オア、シス……?」
『そうよ?青竜はいるかしら……』
おかしいなぁ……?予定では赤竜に会うはずだったのに……
そういえば赤竜ってどこにいるんだろ?
そんな現実逃避をしても事実は変わらない。
私達の目線の先にあるオアシスは少しずつ私達に近づいてくる……
……私達の方が近づいてるなんて言わないで……現実だって逃避したくなるんだから……
『んあ?おー美しき白竜姐様じゃありませんか』
『相変わらずのようね、青竜。』
……あの、白竜さん……
お願いだから真昼間から変なシーンを見せないでもらいたいのですが……
私達は手で目を隠して青竜の方を見ないようにしていた。
だって、見れるわけ、ないじゃないか!!!!!
――こんなアハンでウフンなシーンなんて!!!――
「……なぁ、望月。俺帰っても「ダメ」だよな……」
佐藤の心理状況なんて知らない。
私にしても精神的に帰りたいんだから……
青竜氏、アハンでウフンなお時間でした。
お盛んなんです。
なお、赤竜は……




