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21:空の旅とリン大陸(ついただけ)

翌朝、私はお昼ごはん用のお弁当を4人分作った。(もちろんクリエーターの力で)

朝ごはんもちゃんと作ったよ。

とは言っても食べない人のが多いからおにぎりオンリーだけど。

ま、ただのおにぎりじゃつまんないから中身はいろいろ入ってるけどね。


「てことでちょっとリン大陸に行ってくるよ」

「……は?」

「……え?」


私の分のお弁当は特にいらないし、朝ごはんのおにぎりを食べたらツナマヨだった。

うん、うまい。


ていうか私が食べ終わった頃に佐藤と塩は慌てだした。


「リン大陸って……1人で行くの?望月さん」

「つーかなんで急にそんな話になったんだ?」

「私の鳥人間号、1人用なんだ。あと話自体は確かに昨日だけど善は急げっていうでしょ」


とりあえず鳥人間号は中庭に出しておけばいいかな。

そんなことを考えていたら佐藤はため息をついていた。


「気をつけろよ望月。あの大陸の話は俺も聞いたことあるけどあの王しか知らんてのもなんかフラグってんだろ」

「まぁ、仕方ないよね。せっかくだから観光してくるよ!」


佐藤がデレた。

……いや、関係ないか。

今日の私は完全に動きやすさを重視して上下ジャージという格好だ。

ジャージ、いいよね。



鳥人間号に乗り込み、シートからシートベルトを引っ張り出してしっかりと締める。

ちなみに鳥人間号のシートベルトはシートの両肩から出て足の間でとめる感じにしてる。

……ちゃんと漕げるか不明だけどなんとかなるでしょ。


「じゃ、ちょっと行ってきまーす」


キコキコ、とペダルを漕ぎはじめると鳥人間号の上にあるプロペラがゆっくりと回り始める。

目の前にあるハンドルをしっかりと握りしめてゆっくりと引くと鳥人間号が浮きあがった


うん、思いのほかうまくできたみたいだ。


ある程度の高さに到達した鳥人間号、私をそれを前進させた。

……こんなんでうまくいくものなのね……


それから私はしばらく1人きりの空の旅が始まった。

ていうかこれはこれでなかなか絶景だな。


眼下に広がる見知らぬ街並みと世界。

しばらくして見えてきた海は綺麗な青色だった。

そこらへんはやっぱりどの世界でも変わらないのかな……



ただ、漕ぎ続けなきゃいけないのもなかなかしんどいものだよね。

そう思いはじめた頃から数時間、ようやく私の目に陸が見えてきた。

方角とか的にリン大陸で間違いなさそう、かな?


――初めて見たリン大陸の一角は緑が少なく感じた……


適当な場所に鳥人間号を着陸させて、目印をつけて。

ひとまず休憩がてらお昼ごはんを食べ……


「ってもうお昼!?」


時間って、あっという間だよね……

絶対飛ばないだろとか言わない。

なお、鳥人間号と社畜号は1人乗りだよ。

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