113:こっそりときたのは
――よく晴れた日、散歩でもしようかとビネガーさんの家を出たところで私は門の影に知ってる気がする誰かがいることに気付いた。
「……えっと……そこで何してるの?リゼットちゃん」
「キョーコお姉様!」
一応変装はしてるつもりみたいだったけど……そこにいたのは確か隣の国のカルシウム国の末姫リゼットちゃんだった。
ていうか、王族の人なのに1人でだ……いじょうぶそうだったわ。
よく見たらリゼットちゃんの視界に入らないように監視してる人達いたわ。
……あれ、ていうかあの人の顔どっかで見たような……?
「わたくし、お姉様にお会いしたくて……お父様にナイショで来ちゃいました」
「そ、そっかー」
リゼットちゃん……ドヤ顔で胸を張ってるけどさ……多分っていうか確実にナイショになってないと思う。
よくよく思い出してみれば確かあの人って騎士団にいる人だったはず。
まぁ、何班の人かなんて知らないけどさ。
「あ、これから散歩でもしようかなって思ったんだけどリゼットちゃんも来る?」
「はい!是非ご一緒させてください!」
リゼットちゃんの答えを聞いて、ちらりと監視してる人を見れば何故か満足そうに頷いていた。
そうか、満足かー……
私は前にフォルさんとお茶をしたジュース屋さんで買った飲みモノを持って、公園ぽい広場でリゼットちゃんと休憩をしている。
ていうかあのお店ってお持ち帰りもあったのか……
「キョーコお姉様、こちらの飲みモノとお姉様のお菓子、とても美味しいです」
「そっか。お菓子、また持ち帰る?」
「是非お願いします!あっ……お、お兄様が頼んでこいと……あっ」
リゼットちゃんって……嘘、つけないんだろうなぁ……
そう思いながらまた監視をしてる人を見れば……ギクリとしてから慌てていた。
佐藤経由で言ってくれればいいのに……
「にしてもよくビネガーさんの家がわかったね。」
「はい!お兄様にお聞きしました!」
リゼットちゃんが言うには現在騎士団に派遣で来てる2番目のお兄さん経由で佐藤に私が今いる場所を聞き、意気揚々と歩いてきたらしい……
あぁ、だからあの人覗いてるのか……
ちなみにじゃないけどこの国にはそのお兄さんについてきたらしい。
……だからカルシウム国の王様にはナイショ……ってことになるのかぁ……
ずいぶんと無茶をする子だなぁ……
「会いに来てくれるのは嬉しいけど、ちゃんと王様に断わりを入れないとダメだよ?」
「そう、ですわね……」
一応注意してみればリゼットちゃんはわかりやすく凹んだけど……普通に考えて当たり前じゃないかなぁ?
「ホウレンソウは大事だと思うよ。うん」
「ほうれんそう……ですか?」
さすがに野菜と間違うことはないか。
「報告、連絡、相談……だったかな。親に心配かけるのはよくないからね」
「……はい、わかりました……あの、キョーコお姉様」
「ん、なに?」
「お父様が許可してくださりましたら……また、来てもいいですか?」
「うん、それは全然いいよ。……じゃあそろそろ帰りな?」
あんまり遅くなってもあれだしね。
私はお菓子をいくつか作って渡してまたチラリともう隠れきれなくなってる人を見た。
「そういえばリゼットちゃん。あれ、お迎えでしょ?」
「まぁ……お兄様!いつからそこに?」
「え、あ……ぐ、偶然だなぁ!!」
ずっと居たよ、なんて言わないでおいてあげよう。
リゼットちゃん自身は1人で行動できたって思ってるからね。
「じゃあ気をつけてね」
「はい、それでは失礼します!キョーコお姉様」
リゼットちゃんはそのまま騎士団のお兄さんと帰って行った。もちろん渡したお菓子をしっかりと持って
にしても……なんでこんなに甘味好きの男の人が多いんだろ?
てことでなんとなしにリゼット嬢。
そして尾行するカルシウム国の次男。
もちろんリゼット嬢は気付いてませんよ。兄がずっといたことは。




