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109:潜水系は未知なものです。

――ゼロが図鑑に集中しちゃったからそのままビネガーさんの家に戻ってきて、私はいつものリビングだと思うところで潜水艇のイメージ図を作る作業に入ることにした。

ちなみに肩にはまだ陽翔達がいる。


「……こんな感じでいいかなぁ……」


浸水しないのが前提で、見通し良さも大事でしょ……

イメージとしては前面は某一人視点系ゲームのプレイヤーキャラのマスクの感じで、全体は潜水艦ぽくて……


せっせと思いついたイメージをメモしているとき、ふと、陽翔のメスの方が急に私の肩から飛び立って……


「望月おまえ何し……うわ」

「あ、佐藤おかえりー」


顔をあげて見れば陽翔のメスは佐藤の顔にダイブしていた。

ん?メスは佐藤が気に入ったのかな?


「つーかなんだこの生き物……」

「陽翔のメスだよ。こっちのがオスだって」

「へぇ……てか、マジで何してんだ?望月」


私は堂々と佐藤に今まで書いてた潜水艇のイメージ図と箇条書きを見せた。


「潜水艇を作ろうって思って!とりあえずイメージを固めてるとこ」

「そもそもなんでそんなの作ることになったんだよ……」


まぁ、ゼロ達の話はしないでおいても問題ないだろうからそこは省いて私は3つ目の大陸のことを佐藤に話した。

佐藤もさすがに地殻変動くらいは知ってるだろうし


「それで潜水艇か。どこまで移動手段作る気だよ……」

「そうそうに使わないって。あ、結界みたいなの張れないかなぁ……」


それから数時間、私は佐藤と駄弁ったりしながら潜水艇のイメージを固めて、たまに陽翔と戯れてようやく次の段階に行ける状態になった。

もちろん潜水艇を作るのはこの家の中庭だけどね。


形と色を想像して、設備をイメージして……

ぽふん、と軽く出来てきてたのはある意味想像通りで、予想外に面白い潜水艇が出来てきた。

……うん、一応水中に潜るのは問題なさそうかな。


「さて、名前はー……マーメイ氏号だ!」

「……どこにその要素があんだよ……」

「ツッコミは望んでない。とりあえず潜るのは明日でいいや」


社畜号とかと同じようにキーホルダーに収まるサイズに変えてやるつもりだったことも終わりだし……

とりあえずごはんかな。


そういえばの話、どうして陽翔のメスが佐藤にくっつくようになったのか最初はわからなかったけど、次の日からなんとなくわかるようになったのは言うまでもない状態になっていたんだよね……

ていうか陽翔にそんな効果があるとは誰も思わないでしょうが。


……にしても、陽翔達はこのままここに居座るつもりなのかなぁ……

陽翔は、絶対に1匹の相手しかみない生き物です。

どんなに離れててもその相手がどこにいるのかわかるし、別の同性を近づけさせない術を持っています。

あ、ここ覚えていてもらえればメスがサトウにくっついた意味がいずれわかるネタです!

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