107:簡単な予測範囲。
――私がなんとなく思って感じたゼロのこと……
というかずっとひっかかってたことって言っても間違いじゃないけどさ……
「もしかしてさ、リン大陸の意識、とかその辺だったりする?」
リデルさんとかカイルさんもだけどさ
やっぱりゼロも含めた3人って私達とも違うし、白竜達とも違うように思えたからほぼあてずっぽだったけど……
白竜の表情を見る感じ、あながち間違いじゃなさそうだなぁ……
『……そうね……彼を正式に呼ぼうならゼロ・イズル・リンになるわね。』
「ゼロ・イズル・リン……やっぱりかぁ……」
ついでに白竜はこうも言っていた。
『彼はこの大陸そのものと言っても間違いではないわ。……その意識に己が為の場所がないと……思考の置き場に迷うらしいわ』
ゼロの場合、忘れられ度がアミノ大陸の意識よりも酷かったから余計に欲深い存在になってたということもあるみたいだけど……
「他の大陸に自分の為の場所を作っていいの?」
『それこそ問題はないわ。人間に意識されなければ存在する意味がないもの』
なんていうか……世知辛いというのか、シュールというのか……
ゼロも大変な立ち位置にいるんだっていうことはよくわかった。
……それはわかったけどさ……
「ていうか白竜さん、なんでこの陽翔は私の肩に乗ったままなの?」
『あら、ずいぶんと懐かれているわねお嬢さん』
というか私の肩に乗ってる陽翔は気付けば増えてたけどね。
新しく増えた方は手足がないから……これが陽翔のメス、なのかな?
「ま、まさか肩で営んだりしないよね!?」
『さすがにそれはないわ。』
ならいいけどさ……微妙にくすぐったいんだよこの子達……
そう、懐き具合で言えば緑竜レベルなんだよね。
……陽翔で話がずれたけど……そういえばリデルさんとカイルさんも同等って考えたら……
「ていうか、大陸の意識が国に仕えてるのってありなの?」
『あら、アミノ大陸の存在はそうなの?』
多分あの2人がアミノ大陸の意識なんだと思ってるだけだけどさ。
アル王のとこにそれだと思える人がいるということを言ってみれば白竜は妙に納得していた。
『そういうこと……それなら納得できるわね』
白竜をあっさりと納得させるとか……アル王どんだけなんだ
まぁ、直にあなたは大陸の意識なんですかーとか聞くつもりはないし。
……そういえば昔は大陸3つあったってどっかで読んだ気がするけど……もう1つの大陸ってどうなったんだろ?
「白竜さんってこの大陸外のことってどのくらい把握してるの?」
『……そう聞かれると困るわね……妾達は基本的に領域からさえ出ることはなかったもの……』
あぁ、本来は領域に常にいるものなんだっけ。
私からすればよく出てるイメージがあるけど
「じゃあそういうことは誰に聞いたらわかると思う?」
『そうね……大陸の意識ならわかると思うけど……あまりあてにしないでくれると嬉しいわ』
「わかった。とりあえずゼロとかに聞いてみるよ」
ただの好奇心だし。
とりあえず白竜も聞きたいことは聞いたらしいからそのままゼロのとこでも行こうかなぁ……
……で、いつまで私に乗ってるつもりなんだろうか。この陽翔達は……
ゼロ達のことを大陸の意識にしようか大陸の意思にしようか迷ったというかどっちが適切なのかなとか思うよね。
そして懐く陽翔。




