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94:迷子にならない方法ってあるんかな

飲みかけだったオランジュースを飲み終わって、ようやく帰路につ……く前に頼まれてたお使いのあと1個がまだだったことを私はそこでようやく思い出したのだった。


「フォルさんこれのあるとこ知ってます?」

「どれですか?……あぁ、これならすぐ近くですよ。」


フォルさんはそう言うとお店まで案内してくれた。

ていうかこの人いい人だ!



とりあえずフォルさんとはそのお店で別れたけど……

やっぱりもう少し街の中を知っておかなきゃあれかなぁ……


「よし、これで揃ったかな……」


揃ったのはいいけど……

2度3度辺りを見回してみて……


「……うん、ビネガーさんちってどっちだっけ」


飛んでも帰れるけどさ。

やっぱり街中は自分の足で歩きたいじゃん?

迷ってなかったらだけど!


「モチヅキ、なにしてるんだ?」

「あ、カルーアさん。ちょうどいいところに!」


きっかりビネガーさんちがわかんないって言ったら……

冷めた笑いをいただきました。だってしょうがないじゃないかー


「俺が通りかからなかったらどうするつもりだったんだ?」

「適当に歩き回る。」


って言ったらやっぱり何言ってんだこいつって目線ももらったけど……

あてずっぽだってわりと悪くないと思うんだけどなぁ……


カルーアさんに連れられてビネガーさんちを目指して歩いてるうちにフォルさんの話になった。

主にアルラウネについてだけど。


「アルラウネか。話は聞いたことあるな。」


なんでも、カルーアさんが聞いたことのあるアルラウネの話はある意味すごかった。

ていうかアルラウネの名前もすでにない名前らしい。

つまりは独自に繁殖できないってことだっけ?


「数はいるらしいけどな……」

「複雑だねぇ……」


そういえばフォルさんは確かにアルラウネの血が流れている半獣らしいけどその血はかなり薄くなってるって言ってたっけ。

だからソルトさんは研究をし、その結果吸収されてしまった……


なんていうか、やるせないよねぇ

それは置いておくけど


「どうしたら迷わずに済むかなぁ?」

「飛んでるときみたいに目印でもつくっとけばいいんじゃないか?」

「あ、そっか。」


目印かぁ……すっかりそっちで使うことを忘れてたよ……

とりあえず次お買いものするときはそっちを試してみようかな。



そんなことを思いながらカルーアさんと帰宅すると……

佐藤がぼろぼろでした。


「え、ちょ……佐藤どうしたの!?」

「あ?まぁ、ちょっとな。」


佐藤にはところどころ血が滲んでる包帯が巻かれていて、顔には大きなガーゼが貼られていた。

私は荷物をビネガーさんに渡すとすぐに佐藤の怪我の様子をみた。

……何もできないけどさ……


ただ、こんなにボロボロになっている佐藤を見たのはホントにひさしぶりで……

どうしようもないくらいに不安を感じてしまった……


とりあえずカイルさん絶ゆるだ!!

ある意味怒涛ですよ。

そろそろオモチも自覚する……はず!

なお、最後でオモチがカイルに怒ってるのは騎士団関係で怪我したんだろうという予測の結果です。一応ヤツは騎士団と魔道士団の最高責任者(無責任者)だからね。

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