57/84
胎動するものたち
ブゥ…ン
レオンとカレンが、帰還した。待ちわびたクララは尋ねた。
「どうだった?」
カレンは青ざめていたから、レオンが口を開いた。
「やはり異次元に、思念体としては存在している」
タケルはそれを聞いて起き上がった。何でもいいからヒナタに会いたかった。
「だが、かなり危険な場所だ。行くなら、クララはやめとけ」
「わたしも行くよ?」
クララは微笑んだ。
「タケルにも迷惑かけたし」
「…勝手にしろ」
レオンは、人間が愚かな生き物であることは、わかっていた。
「ご主人様!ヒナタ様を助けに行きましょう!」
カレンに言える、精一杯の嘘だった。
「可能性が少しでもあるなら、俺は行く」
タケルの決意は固かった。




