レオンとクララ
妹は学年で人気者だった。魔術成績トップを維持しており、教師にも匹敵する魔術師なのだ。一度教わったら、次にはその魔法を完璧に模した。教師も舌を巻く逸材らしい。
一方兄はというと、魔術成績は普通。妹に吸い取られてるんじゃないかというくらい、魔力は微弱で、そこにいるかわからないという薄い存在感も持ち合わせていた。
妹が朝からちやほやされてる時も、兄は自然に分離して、自分の教室に向かっても誰も気づかないようだ。あくびをしながら兄は教室に向かった。
教室ではみな雑談中だったが、彼が来ても気づかないふうにざわざわしている。
スマートフォン所持が義務付けられてから、皆はそれに夢中だ。無論校内での使用は禁止なのだが、休憩時間などは正直うやむやになっていた。
「おはよう、タケル!」
クラスメイトのレオンだ。割と活発で友人も多く、女子からも人気者だ。
「おはようレオン」
タケルは嬉しそうに彼に挨拶を返す。
「昨日の宿題わかんないとこあってさ!」
「だろうと思ったよ。はいコレ」
ノートを受け取って満面の笑みを浮かべる。
「またタケル君に、ノート借りて写す気でしょう?」
世話焼きにきたのは、クラスの学級委員長をしている、クララだ。
スマートなポニテが凛々しい美女で、クラスの男性の、憧れの的だ。
レオンとクララは実は付き合ってるという噂があって、皆そのはなしで持ちきりだ。しかしタケルにはいい迷惑だった。




