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ディストピア2030〜信じるか信じないかはあなた次第〜  作者: 地野千塩


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この世は猫が支配しているかもしれない

 B子の夫は、無口で、いつもイライラしているような所があった。


 妻のB子にも厳しく、モラハラのような発言も多かった。専業主婦だったB子は夫との暮らしにウンザリとしてしまい、仕事も再開した。夫はコロナ後に在宅ワークになり、余計にストレスがたまっているようだ。一緒にいるB子も息が詰まるそうだった。


 そんな折、夫が猫を拾ってきた。他の猫にいじめられていた子猫だったらしい。ふわふわの白い毛玉みたいな猫だった。名前もシロ子。


 あの夫が子猫を拾ってくるなんて意外。動物になんて全く興味がないと思っていたが、シロ子の可愛さにメロメロとなり、モラハラ発言も滅多にしなくなってしまった。


「シロ子ちゃん。ご飯の時間でちゅよ!」


 赤ちゃん言葉まで使い、シロ子に餌をあげている夫。シロ子に引っ掻かれてもヘラヘラ笑い「俺はシロ子の奴隷」とまで言っている始末。


 すごい変わりようだ。もしかしたら本当に猫がこの世を支配しているのではないか。そんな妄想もしてしまうほど。


「シロ子ちゃん! 可愛い!」


 今の夫はだいぶ気持ち悪いが、前よりはマシかもしれない。


「にゃー?」


 何も知らないシロ子は小さな声で鳴いていた。

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