近所のパワーストーン専門店が潰れました
近所にあった店が潰れたらしい。パワーストーンの専門店で、なんかキラキラしているストーンを売っていた記憶があるが、シャッターが下ろされていた。閉店を伝えるポスターも貼ってあったが、ヤンキーに落書きもされているようだった。
「へえ。このお店潰れたんだね。っていうか、幸運になる石を売ってるのに、なんで店が潰れてるの?」
C子はふとした疑問をつぶやく。隣には一緒に登校している幼馴染みもいた。彼女はクラス一の優等生だったが、厨二病っぽい趣味が好きだ。実際中学二年生だが、オカルト雑誌や都市伝説にも詳しい。
「パワーストーンって効果無いの?」
「いや、少しはあると思う。でも、こういうの買う人って一発逆転狙いの怠惰なヤツや、自分の事しか考えてないヤツが多そうじゃね?」
確かに幼馴染が言う通りだった。あの店の客は、なんとなく貧乏臭そうなブスが多かった。
「いくらパワーストーンが優秀でも、使う人の心が悪いとね。石だってそんな奴は救えやしないわよ」
なかなか信頼だが、経営者もそうって事?
「そんな怠惰な客には、現実見ろっていうのが正しい人の道でしょ。それなのに石で願いを叶えるとか甘い言葉で騙すんだもの。人の道に外れる事をして、経営者も儲かるわけがない」
「なるほど。自己啓発書を売ってる出版業界が斜陽になっているのと同じカラクリ?」
「似たようなもんね。聖書にも貧乏人や弱い人間から金をとるとダメだって書いてあるからね」
つまり石自体は何も原因はなく、扱っている人間の心が悪いというわけか。
そんな事を話していたら、もう校門の前についてた。
「受験のお守り買うのも無駄?」
「無駄ね。その前に英単語のひとつでも暗記しなさい」
いつになく辛辣な幼馴染だが、C子はかえって好ましく燃え見えてきた。確かに「お守り持てば合格する」なんて甘い言葉は、長期的にみたら、良くないかもしれない。
「じゃあ、勉強頑張るぞ!」
「その調子よ! 頑張れ!」
なんだかやる気も出てきた。今のC子にはパワーストーンも自己啓発もお守りも必要ない。ただ、目の前にある事を頑張るだけだが、それだけでも意外と心は楽しかった。少なくとも何も行動せず、何かに怠惰に頼っているよりはずっとマシだった。




