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ディストピア2030〜信じるか信じないかはあなた次第〜  作者: 地野千塩


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底辺職ランキング

 2025年、経済的格差が広がっていた。ネットでは底辺職ランキングが発表され、炎上。数年前にもあった炎上だが、今回はずっと炎が燃え盛り、底辺職ランキング従事者が次々とストライキを起こしていた。


 保育士もいないので、子供や赤ちゃんが病気になったり、行方不明になった。介護士もいないので、老人が死に、犯罪が急増した。コンビニも無人になったので、老人と無敵の人が組んだ強盗が相次いだ。


 清掃員もいないので、街中はゴミだらけ。街は一気にスラム化した。もちろん、ネットで注文した商品も届くわけもない。運送業者も消えた。配送センターにも誰もいない。農業や畜産業者も次々と辞めていき、あっという間に食糧危機になった。飢え死にするものも相次いだが、病院には看護師や医療事務、清掃員等もいない。医者だけで全部対応する事になり、病院も戦場よりも酷い場所になっているという。


 相変わらず病院には、「医療従事者に感謝を!」なんていう垂れ幕が掲げられていたが、雨にさらされ、風に舞い、ズタボロになり、空に消えていった。


 意外な事に生活に脅かされたニート達がボランティアをやっているらしい。生きるか死ぬかの瀬戸際になれば、働くものもいるという事か。漫画やアニメ、動画サイトの娯楽も消えたのので、ヲタク達は心のよりどころを失っていたが、なぜか結婚するものも増えているという。非常時になれば、人の本能や生命力も吹き返すのかもしれない。皮肉な事だったが。


 一方、非常時にも何の役にも立たないカルト宗教の教祖、占い師、インフルエンサーなどはこの騒ぎで無敵の人達に殺されているらしいが、警察官の多くもボイコットしているので、治安も滅茶苦茶になっていた。


 困った資産家達は「底辺職に感謝しよう!」とブルーインパルスを飛ばしていたが、焼け石に水。感謝などでは、何も解決しないのだろうが、この言葉を書かれた垂れ幕を学校やビルなどに掲げる事に決めた。


「底辺職に感謝しよう!」


 綺麗な言葉だけが、空に舞っていた。こんな垂れ幕など、もう誰も見向きはしなかった。

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