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ディストピア2030〜信じるか信じないかはあなた次第〜  作者: 地野千塩


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今日もカラスが鳴いてる

 突然、メディアが「カラスは白い」と報道しはじめた。


 Yは目を疑った。どう見てもテレビに映し出されてのは、真っ黒なカラス。それなのにアナウンサー、司会者、芸能人も口を揃えて「カラスは白い」という。そんな報道が毎日のように始まってしまった。


 最初は違和感があった大衆たちも「カラスは白い」を信じ始めた。嘘も百回言えば、真実となるのか。


 頭がおかしくなりそう。白、黒、カラスという概念は一体何なのか? 脳内で色んな価値観が崩壊していく。


 Yは脳や視力の検査も受けた。自分だけがカラスが黒く見えているのかもしれない。結果はどこも異常はなく、ごくごく普通の中年男性と言われるだけだった。


 それでも、どう見ても空にいるカラスは真っ黒だ。世界には白いカラスがいるのかもしれないとアフリカの奥地なども行ってみたが、望むような結果はない。日本でもアフリカでも見えるのは、黒いカラス。それでもメディアや大衆は「カラスは白い」と呼ぶ。


 実はYのような男は少なくなく「カラスは黒い」という講義団体があったが、頭がおかしな陰謀論者やカルト信者として迫害されていた。酷い場合は精神病院や牢屋に入れられる者もいるという。


 それでもYは思う。カラスは絶対に黒い。メディアの洗脳なんかには負けないぞ!


 カア、カア、カァ。


 今日もYの頭上にカラスが飛んでいた。さて、このカラスの色は白? それとも黒? 


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