第32話集約する力(サマライズ・パワー)
「お前は……何がしたいんだよ!」
「俺も同じだった。お前とだからこそ、認めさせる」
「黙れ!マザコンが!」
「そうだ。俺はマザコンだ。当たり前だろ?俺にはあの人しか居ない。どうして、嫌いになれる。尊敬しかない、ここまで育ててくれた人にどうやって、恩を返すのか考えるが、上手くまとまらない。だからこそ、お前と話したい。お前は俺と同じだから」
「一緒にするな。俺は母親の事を何とも思ってねぇ」
「あの病弱な奴の事か?」
「黙れ!」
正一は怒りに任せて、実弾が入った拳銃の引き金を引く。
「怒りで我を忘れた?俺の異能を忘れたか?」
正一が放った実弾は二宮の異能集約する力によって軌道を変更され、地面へとねじ込まれていた。
「どうでも良い奴の悪口を聞いても、何とも思わないだろ?お前は大事な人を悪く言われ、我慢出来なかったんだろ?」
「……俺が母さんを大事に思っているだと?なら、俺は母さんの為に暗殺部隊に入り、人を殺していたと言うのか!」
「……それ以外に金を稼ぐ方法が無かったんだろ?」
「違う。俺は俺の為に暗殺部隊に入った。生活には金が必要だった。余った金を入院費に回していただけだ」
「違う……分かっているだろう。母親の為に手を汚したと、思いたく無かったんだろ?」
「……お前は何がしたい?俺にどうしろと言う!」
「いい加減、認めろ」
「……理解している。このままでは、駄目な事も、だがこれ以外、方法が無い」
「俺とチームを組め、正規の任務を行えば、暗殺部隊よりも少ないだろうが、稼げる」
「何故だ。何故お前はそこまで」
「一家の分家だからな。二宮家は、だから母さんに言われたんだ。一家の力になれって」
「それだけか?」
「あぁ、頼まれ、受け入れた時点で俺は一家の為に動くと決めた」
「分かった。暗殺部隊は止めよう」
「本当か?」
「あぁ、だが、お前とはチームを組まない」
「何で?」
「ウルセェから」
「……あぁ、そう。……そんなにうるさい?」
正一は無言で頷くとその場から立ち去る。




