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仙人、異世界で無双する  作者: サマト
第四章 仙人、特級冒険者になる
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閑話 仙人、報告書を作成する、過去を振り返り気合を入れ直す

廃棄された魔法施設からラシェントの街へ戻ってきてから三日が経った。『小周天』の失敗による片頭痛と戦闘による筋肉痛からようやく回復した将人は、ファテマに冒険者ギルドの休憩所に呼び出される。休憩所に入った将人はすでに席についているファテマとパウラを見つけ声をかける。パウラが将人の声に気づき、駆け寄り腕に手を回してくる。


「お兄ちゃん元気だった。パウラはねえ、お兄ちゃんと会えなくて寂しかったよ!!」


パウラの満面の笑みを見せられて将人は思った。


(前から思っていたけどこの子は犬系だな。凄く人懐っこいゴールデンレッドリバーだ)


将人は犬を可愛がるように頭をなでる気持ちよさそう目を細める。和んでいると背筋に寒気が走る。


「マサト君、人の妹とイチャつかないでくれるかなあ」


ファテマがいい笑顔で言うがその笑顔がややひきつっていた。休憩所にいる他の冒険者にもすごく睨まれた。


「お姉ちゃん、そういう相手がいないからってシ嫉妬するのは良くないよ」


「余計な事言ってるんじゃなわよ、このおバカッ!!」


姉妹ケンカが始まる前に将人が割って入る。


「ちょっと待ってください、パウラさん。今日は用事が会って俺を呼び出したんですよね」


「ああ、そうだった。今日はマサト君にやってもらいたいことがあったんだ」


「やってもらいたい事?」


ファテマが数枚の羊皮紙と羽ペンとインクを渡される。


「これは一体?」


「マサト君にはこれから報告書を作ってもらいます」


「報告書?」


調査依頼には未踏のダンジョンや土地の調査等があり、そこにある珍しいアイテムや素材、金品等を自分の懐に入れる冒険者が多く、それを防ぐ為に報告書の提出が必須になっていた。その報告書を基に調査が行われ報告の虚偽が発覚した場合、冒険者ランクの降格、ラシェントの街での冒険者家業の禁止という厳しい罰が処せられる。


「報告書作成が大事なものだと分かったんですが、その作成をどうして俺が?」


「それは報告書を作るのはその時のリーダーがやることになっているから。あの時君は特級冒険者で私よりもランクが上になっていたでしょ」


「だから俺に作れと」


ファテマが頷く。


「………代筆は?」


「ナシッ!」


ファテマに延べもなく言われる。パウラを見ると「お兄ちゃん、ガンバッテ!!」とガッツポーズで言われ逃げ道が無くなる。情けない表情になりながらも羊皮紙を広げ、羽ペンの先にインクを浸した。パウラには応援、ファテマには添削されながら書き続ける。途中から、下級冒険者が受ける事が出来る街中での依頼を終えたマサリア、エミリア、アベルドも合流し、喧々囂々としながらもようやく書き終える、書き始めた時中天に合った太陽が沈もうとしている。作成に五時間くらいかかっていた。

将人は背伸びをして腕を回し固まった筋肉をほぐす。


「マサト様、お疲れ様です」


エミリアが将人の前にお茶の入った木のカップを置く。


「ありがとう、エミさん」


将人は木のカップに入ったお茶をすする。


「ねえ、ファテマさん。虚偽の報告があってはならないって事で『滅び』の事包み隠さず書いたけどいいんですか?」


「エドガルドおじさんは事情知ってるから大丈夫だと思うよ」


将人はほっとしてお茶を飲み干しため息をつく。


「俺、この街に来てから色々あったな………」


「突然どうしたの?」


マサリアがエミリアからもらったお茶をすすりながら言う。


「俺、こっちの国に来てからすぐにリアとエミさんに会って、冒険者になってアベルドに襲撃されて………」


「マサト殿!!」


アベルドがすごい速さで魔跡の口を塞ぐ。


「どうかその事はご内密に!!」


だが、塞ぐのが少し遅かった。


「アベルド、アンタ将人を襲撃って何してるの!?」


「アベルド君、お兄ちゃんにひどい事したの………」


マサリアとパウラに詰め寄られアベルドはあらぬ方向を向き口笛を吹いてごまかそうとするが、睨まれ冷や汗をかいている。救いを求めるように将人を見るが、将人は無視をして話を続ける。


「………初めて受けた依頼でファテマさんとパウラちゃんと出会って同時に『滅び』という不可解な存在と遭遇して、それから何度も『滅び』に関わるようになって………何で俺何度も死にかけてんの?」


「それはマサト君が唯一『滅び』に対抗できる存在だからじゃない」


「デスヨネー」


将人は溜め息をつく。


(小説で見たようなスローライフな生活を期待したんだがなんか違う。転移したところに『滅び』がいるなんて考えてみれば出来すぎてる。鏡のヤツ、幼なじみを追うって事だがホントにいるのか、その幼馴染み?もしかして俺を巻き込んだんじゃないか? そこら辺を聞き出して締め上げないとな)


「報告書提出したら街に繰り出そう、酒も飲もう!!」


「マサト、どしたの?」


「ちょっといら立つ事を考えてしまって、飯食って酒飲んで憂さ晴らししたくなった。みんな付き合って!」


将人の言葉に驚きながらも賛成する一同。将人たちはぞろぞろと休憩所を出る。


「さあ、食うぞ、飲むぞ………」


将人は妙なテンションになっていた。














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