仙人、魔法施設入り口の罠、壁を穿つ
鬱蒼と茂る森を超えようやく魔法施設の外壁に到達した。高さにして約20メートル、白い石材で作られていた。外壁を辿っていくと逆U字の入り口を見つける。入り口の両脇には不気味な顔が彫られており侵入者である自分たちを睨んでいた。入り口に入ろうとした時ファテマが待ったをかけた。
「上から様子を見てくるよ」
言うが早く入り口の傍にそびえ立つ巨木をスルスルと上るファテマ。
「少しきついかも………」
上から全域を見渡したファテマが降りてきてそう呟いた。
「どういうことです、ファテマさん?」
ファテマは地面に簡単な図を書きながら話し始める
「簡単に説明すると中心に見える建物が目的の魔法施設、その周りに広場と他の施設が何か所かある。問題は外壁の通路、曲線で作られた迷路になってる」
それを聞いてみんなが顔を歪める。
「迷い込んだって商人はどうやって魔法施設に入ったの?」
疑問に思ったマサリアが依頼を受けてきた将人に聞いた。
「どうやってってこの迷路を走破して入ったんだろ」
「走破したって………こんな迷路があるってわかったら入るはずないでしょ。でも実際魔法施設に入って稼働している事確認してるんだからやっぱり迷路を走破してるのよね。マサトは何か聞いてないの?」
将人は依頼を受けた時詳しい内容を聞いているが、その中で迷路があるという話は出ていない。
「言い忘れていたのか? でもこんな迷路の話を忘れるとかあり得るか?」
悩んでいる将人にアベルドが呟く。
「魔法でならこの迷路作れると思いますよ。マサト殿」
「マジッ、じゃなくて本当?」
「一人では作れませんかが複数人いれば作れます」
エミリアが補足を入れる。
「という事は、あの魔法施設には複数の魔法使いがいる。その魔法使いは魔法施設に他人が入られる事を嫌ってこの迷路を作成した。下手をすると何らかの罠があるかもしれない。そこにあえて入るべきか?」
(罠がありそうなところに入るのは無謀、ここは引くべきだ)
将人が撤退を決断した時だっだ。
「マサトー、早く入ろう!」
「お兄ちゃん、早く行こうよ!」
マサリアとパウラが迷路の入り口に立っていた。
「二人とも何迷路に入ろうとしてるの、戻って!!」
そう叫ぶがすでに遅しだった。入り口の両側に彫られた不気味な顔の目が二人を見たかと思ったら口が開き二人を吸い込んでしまったのだ。その後、顔が呪文を唱えると入り口付近の土が盛り上がり入り口を塞いでしまったのだ。
「ヤバい!!」
将人は入り口に駆け寄り土を掘ろうとしたがすでに硬化しており、掘る事が出来なかった。
「マサト様、どいて下さい!!」
エミリアは魔法の杖を壁に向け呪文を唱える。魔法生み出された火球が放たれる。壁に火球が直撃した瞬間壁がに波立ち、衝撃と熱を吸収してしまう。更に二発三発と打ち込むが吸収されるだけで全く効果はなかった。
「エミリアさん、それ以上はダメ!! 魔力の枯渇で動けなくなる!!」
ファテマが魔法の無駄打ちを止める。
「でも、リアお嬢さまが………」
「魔力が枯渇して動けなくなったら誰がマサリアちゃんを助けるの、まずは落ち着いて!! 私も我慢してるから………」
唇を噛みしめるファテマを見て、エミリアも思いとどまる。
「無駄打ちはしたくないとか言ってる場合じゃないな、みんな少し離れてて!!」
将人は円形の盾を壁に向ける。門を開くイメージを盾に送り『氣』を壁に向けて放出する。『氣』に反応し壁が波立つがそれも一瞬だった。『氣』を吸収できず壁に円形の穴が穿たれる。
「向こうはこっちを分断出来て喜んでるだろうから悔しがる事をしてやったぜ。このまま真っ直ぐ進んで魔法施設に急ぐよ。リアとパウラがどこに飛ばされたか分からない以上魔法施設にいる何者かを締め上げて居場所を吐かせた方が早い!!」
「そうですね、急ぎましょう!!」
エミリアがいの一番のに走り出す。それに次いでファテマがアベルドが走りだし将人が最後になる。
「リアもパウラも待ってて、必ず助けるから………」
将人は決意も新たにファテマ達の後を追った。




