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召喚獣による召喚で異世界で召喚士になりました  作者: bamleace
二章 ~王都グーベラッハ~
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06 課題に向けてと防具新調

 ダンジョンへの課題が見えた所で、対策を取らないといけない。

 まず一番簡単な所で、装備の新調だ。

 これまで最初に買った装備のままであった。新しい街に来たら新しい装備という訳ではないが、今の装備を買った時よりも俺達のステータスは上がっている。なので、いい武具を装備出来る可能性があるのだ。

「という訳で、装備を買いに行こう」

「確かに、これじゃ力不足かもしれないわね……」

 マリアも気づいていたようだ。

 本来はダンジョンに行く前に気づくべきだったのだが、あそこまで苦戦するとは思っていなかったのだ。

 という訳で、まずは防具屋に来ている。

 ここ王都ではお店の数が多い。防具屋といっても、重戦士向けだったり、軽戦士向けの専門だったり、はたまた魔導師向けだったり、汎用的に揃えている店だったりと様々である。

 俺達が来ているのは、もちろん軽戦士向けの店である。

 マリア向けの装備を買いに来たのだ。先日見た、女騎士のような高そうな装備は無理だろうけど、似たような感じの装備ならマリアに似合うだろう。


 しかし、前にも思ったけど、ゲームの時だと見た目とかそこまで気にしないで、性能重視で装備は決めていたけど、実世界なら見た目も気にしたくなる。

 さすがに、素材や見た目がちぐはぐで全身を揃えるのは、なんというかださい。コスパはいいんだろうけど……。

 という訳で、マリアの現在の皮シリーズから、ランクアップしたシリーズで統一したいところだ。

「という訳なので、見た目もいい防具にしよう」

「理屈は分かるけど、でも性能も大事よ?」

「それはそうだけど、でも森の中とかで目立たないのとか、そういうのもあるじゃん? 見た目ってさ」

「そうね……。なら派手じゃないのがいいかしら」

 そんな訳でお店の中で相談中である。

 まずは自分達で見繕ってみるのだ。店員さんもいるけど、声を掛けて来ないようだ。消極的なのか、それともそういう店なのかは分からない。

 他にも冒険者らしい客もいるし、閑古鳥って訳でもないんだろうけど。

 陳列してある防具には、値札の他に、推奨能力値が書いてある。これを見てきちんと装備出来るのかを確認出来る。

 ちなみにマリアの現在の能力値は……、魔力以外が二十台といったところだ。

 ……確か、ワーズヴェシンを出る時はもう少し低かったような気もするのだが……。気のせいだろうか? それとも成長期なのだろうか? いや、召喚獣に成長期ってあるのか?


「ワタシの能力値だと……、この辺かしらね」

「うーん、そうだろうな」

 防具は能力値別に陳列されている。なので、どの辺りの防具を見ているかで、その人の能力値が大体分かってしまう。もちろん、見栄を張ったりしていなければだが。

 ここは軽戦士用の店。売っているのも、そこそこの防御力でありながら、動きやすいようなものばかりである。

 ちょうど、俺達の隣の島に他の冒険者が一人いる。あの辺がさっき見たけど、能力値が三十台向けの棚だ。つまり、俺達よりも強くて、先輩って事になる。

 見た目からして、ここの店の用途に合う軽戦士の女性のようだ。動きやすそうな格好だけど、必要最低限の箇所は守られているような装備だ。ふむ、参考になる。

 やはり胸や肩、膝といった部分は重要のようだ。それに、下はスカート系だ。長すぎると動きにくいのだろう。膝上の長さである。

 動きやすさと防御の両立がスカートなのだろうか? ズボンでもいいような気もするが……。いや、やはりスカートが最高だ。うん。

「アキ? さっきから()()を見ているの?」

 ちょうどスカートを注視している所で、後ろからマリアの冷たい声が聞こえた。

 何の後ろめたさもない。俺は装備の参考にと思って、先輩であると思われる他の冒険者を見ていたのだ。

「いや……。他の冒険者はどんな装備なのかなーって……」

「そんなにスカートが重要なの? それに参考にするなら店員さんに聞いたほうがいいんじゃないかしら」

 マリアさんはお怒りのようだ。

「よっし! 参考になったし、マリアの装備を選ぶとするか!」

 勢いで押し切るしかない。それに参考にしていたのは本当だ。少し見すぎてしまった気もするが、そこは仕方ない。

「それじゃ、その参考にした成果を見せてね?」

 プレッシャーだ……。


 皮のシリーズよりも上のランクとなると、まずは木になる。硬い木で作られた防具で軽くて便利だ。だが、硬いといっても所詮は木なので、強い攻撃には耐えられない。また、魔法に滅法弱く、もちろん火は厳禁である。

 それに何より、ださいのだ。皮は防具というよりも、服というイメージがあるので、全身それでも良かった。

 だが、木の鎧……。いや。軽いし丈夫というのは分かる。でも女の子が着るようなものではないと思う。

 なので除外だ。

 その次となると、青銅や鉄をあしらった防具になる。全部鉄では重くなってしまうので、要所要所が鉄なり青銅なりで出来ているのだ。

 これより上位となると、鉄の部分が増えたり、鉄が鋼になったもの、もしくは軽い魔法効果が付いているものになる。これくらいになると、マリアの今の能力値では扱えない。

 なので、青銅や鉄をあしらった防具から選ぶのがいいだろう。

「こういうのでどうだ?」

 俺コーディネートはこんなのである。

 まず基本は革のドレスである。魔物素材のようで、これまでの皮とは違い丈夫らしい。動きやすく、防御もそこそこ安心出来る。

 胸は青銅の胸当てで補強、肩にも青銅の当て物をして、上半身はOKだ。

 下半身は、腰にはこれまた青銅で出来たプリーツスカート。革のドレスの上からでも、ごつくない程度だが、動きを阻害せずに防御をUPできるはずだ。

 足は革のブーツを基本に、青銅の膝当てをポイントにする。

 頭はこれまた革の帽子である。耳の部分がなく、テンガロンハット? みたいにシャープな帽子だ。

 これで、可愛さと防御を両立した装備である。

「結構動きやすいわね。それでいて、防御もありそうだし」

 まぁ実際はあまり選択肢がなかったのだ。後は、鉄を含めるかどうかくらいで、木シリーズを排除すると、このようなコーディネートしか考えられない。

「そうですね。このような装備をなさる方は多いですね」

 自分の出来に満足していると、さっきまで空気のようだった店員が話しかけてきた。

 腰の柔からそうな青年の店員だ。

 このコーディネートはありか。良かった。

「能力値は二十台ですかね。そうでしたら、このようなくさりかたびらを上に加えると、より防御が増します。ただし、見た目が悪くなるのと、少し音が出てしまうのが難点ですが、いかがでしょうか、お客様」

「うーん……」

 なるほど……。革のドレス上にくさりかたびらを羽織ることで、全体的に強度が増すのか。

 だが店員の言うとおり、確かにださい。革のドレスで、見た目を重視しているのにも関わらず、それを根こそぎ奪っていく感じだ。

 確かに防御は増すだろう……。でもそれはダメなんじゃないか? こう、中に着るのはどうだろうか。それなら防御面でも見た目面でも問題ないはずだ。

「これ、中に着るのはダメなんですか?」

「そうですね……。その場合は、ある程度厚手の服を着ていただかないと、くさりかたびらで痛くなってしまいますね。なので、服とくさりかたびらと、かなり厚手になってしまう、動きも支障が出てしまいます。そうされるのでしたら、始めから鉄の鎧などの方がいいでしょう」

 確かに。薄い服の上にくさりかたびらを着ると、鉄部分が当たって痛そうだな。服にくさりかたびら、革のドレスに胸当て……。軽装備の重ね着か。確かに動きにくそうだし、暑そうだ。

「むぅ。見た目が悪くなるけど……。一応買って、やばそうな時に付けるか?」

「うーん……。確かにちょっとアレね……。でも防御が上がるなら……」

「それじゃ買っておくだけ買っておくか……。あ、この装備で問題ないですかね?」

 コーディネートには自信があったが、一応店員さんに確認をした。

 大丈夫です、問題ございません、と回答を貰ったので、一式を購入した。全部で銀貨一枚に銅板一枚だった。やはり今までのと比べると高いが、宿屋の値段とほぼ同じなのか。

 そろそろ細かいのがなくなって来るなぁ。金貨を崩さないといけなくなりそうだ。


 その後、店を変えて俺の防具も買ったが、何の変哲も無い革のローブ、革の帽子に革の靴に決まった。

 俺は魔力だけは高いけど、他の能力値が合わず、いい装備が無かったのだ。それに俺達はまだランクD。それなりに相応の装備をしたほうがいいだろうと思ったからだ。

 俺の装備を買った時点で、所持金がついに金貨五十枚を割った。この世界に来た当初に得たお金や、これまでのクエストで得たお金は使いきったことになる。

 盗賊討伐の賞金がなければ、文無しだ。

 そう考えると、結構豪勢な生活をしてしまっているのかもしれない。ランクを飛び級で上がったため、そもそもの下積み期間が短いというのもあるのかもしれない。

 だとすると、今の宿は不相応なのかもしれない。一度、ランクE向けの宿も行ってみるのもいいかもな。

 ともあれ、これで装備の防具面は完璧と言えるだろう。次は武器の購入だ。


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