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中

そんな具合でわずか10歳ながら永遠に答えの見つからない自分は何のために生きているのかという、自己の問いかけが生まれてしまった。

そんなある日。小数の掛算、割算なんかしている場合ではない。時間の無駄だ。

「物事の根本的な心理を探求せよ!」

と説法しようと学校に向かった。

帰りのホームページの時間にでも壇上に立って、どのように演説しようかと思い描いていて教室に入ったところ。

クラス中がざわついている。

何事かと思い、その元凶を見ると。

好きなアイドルの話をしている女子グループに、

「愛することはいのちがけだよ」

宿題を忘れてしまい、宿題見せてくれよと懇願している男子に、

「何もしないさきから、僕は駄目だと決めてしまうのは、それあ怠惰だ」

こんな具合で、誰も求めていないにもかかわらず、覚えたてであろうかの有名な文豪の名言をあちらこちらで披露している。

周りの反応はというと。

「どうしたんだ急に」

「変なもんでもくったのか?」

「何あいつイタい」

「中二病全開なんですけど」

なぜだか急に太宰に目覚めた一人の同級生が総スカンを食らっていた。

そんなこと気にもとめないというか。気づいていない様子で、その太宰被れが俺の席にやってくる。

同じ匂いを感じたのか。

「大人とは、裏切られた青年の姿であると芦田くんは思わないのかい?」

そんな疑問を問いかけられる。

そこで俺は一言。

「何それ、キモいんですけど」


俺の決断は間違っていなかったであろう

その後の彼の学園生活を考えてみると。

その時俺は一つの重大な決断を下した。

変なことを言うのは止めよう。普通の小学生を送ろうと。

それからというもの。

勉強が特別できるわけでもなく、できないわけでもない。運動神経が良いわけでもなく、悪いわけでもない。身長が高いわけでもなく、低いわけでもない。イケメンでもなければブサメンでもない。デブでもなければガリガリでもない。社交的でも――

そう。中の中に徹してきた。

ただ、勘違いしないで頂きたい。意図的にそうしているわけだ。

本来なら勉強もできて、スポーツもできて、そのうえイケメンというハイスペックを持ち合わせた、リア充全開の学園生活が送れていたのだ。

重要なので、もう一度言わせてもらう。計画的に普通の生活を送っているのだ。

本気を出せば何でもできるはず?だ。

モテキを呼び起こせることも。

出る杭は打たれるというように、日本で暮らしていく以上、郷に従っているのだ。

いいかげんしつこいくらいに言わせてもらう。

本来なら県内有数の進学校に行ってもよかった。

あ・え・て進学した偏差値中の中の高校に急ぎ足で向かうのであった。


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