#2 美しい転校生
ある日の朝。僕はもう付き合って5年にもなる目覚まし時計の音で目が覚めた。
隣のベッドを見ると、妹の姫はお腹を曝け出し、爆睡している。
……何やってるんだよ……。
そう呆れながら薄い掛け布団を掛けてやる。
そして、制服に着替えリビングに行った。
『王へ
私は、お仕事で明日の夜まで帰ってこられません。その間、自炊して貰ってもいいし、封筒に入っているお金を使ってくれてもいいです。
その間、姫を宜しくね。
母より』
僕は少し溜め息を吐き、そして朝食を作り始めた。
「姫~? 起きて~」
「ん……ふあぁ~……お早、お兄ちゃん」
降りて来た姫が、盛大な欠伸をして挨拶をして来た。
「ん、お早う。もうちょっとで朝ご飯出来るから、着替えて置いて」
「ん~、分かった……」
僕は寝惚けている姫を見、苦笑する。姫は昔から寝起きが悪いのだ。
そして、無事に朝ご飯を予定通りの時間に食べ終え、僕は姫と一緒に家を出た。
「ばいばいっ、お兄ちゃん!」
「うん、また後で」
「うんっ!」
小学校と高校は途中で道が分かれる。姫と別れた後、僕は一人黙々と高校への道程歩いて行った。
1ー7。
「ねぇねぇ、今日の……」
「なぁ、これってさぁ……」
「あたし、……を……で……んだよね」
「「「えぇ~っ⁉」」」
はぁ……。
僕は溜め息を吐く。……これでは、本を読むことが出来ない。
「おーい、今日は転校生が来てるぞー! もう入るから、席に着け!」
「「「はーい」」」
教師がパンパンと手を叩き言うと、皆席に着き、また各自喋り始めた。
「……。おーい、入っていいぞ!」
皆話を止め、「転校生」に注目する。その転校生は、注目され少しはにかみ、
「常盤よすがです。運動は好きで得意ですが、勉強は大嫌いで大の苦手です。宜しくお願いします」
と自己紹介した。
——彼女は、とても美しい転校生と学校中に名を轟かせることになる。
「常盤は……皇。お前の隣な。宜しく」
「……はぁ……はい……」
僕は悟られない程度に溜め息を吐く。
「えっと……皇、君? これから宜しくね!」
彼女はニコッと僕に笑い掛けた。
——その笑顔に少しだけドキッとしてしまったのは、言うまでもない。
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