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アポカリプス Apocalypse   作者: 秦 元親
【第三章】新世界より From the New World
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【三章第十七話】 エデン

 いつしか忘れようとしていた。



 それでも忘れることが出来なかった。

 何時から俺にこんな気持ちが宿ったんだ?


 ――彼奴はただの幼馴染だった。


 間違えなく彼奴はただの幼馴染であった。


 それ以上でもそれ以下でもなかった。


 それなのにどうしてだ?


 ――分かっている。


 俺が彼奴を、俺が金剛美優を好きになったのは小学校六年生の頃だ。彼奴は俺から去っていくことは無かった。


 彼奴と紫水だけは最後まで俺の味方でいてくれた。最後まで傍に居てくれた。



 皆はいとも簡単に俺を捨てたというのに、俺は皆の為に尽くしてきたというのに周りはそんな俺を迷いもせずに捨てやがった。


 ・・・・・

 

 嫌な囀りが一段と強くなってきている。


 喜び、嫌悪、嬉しさ、悲しみ自分の心の中は乱れに乱れている様な有様だ。

 それでも、それでも尚だ。


 今までのこと全てをひっくるめて、あの時の事を含めたとしても……。



 ――俺は未だに彼女の事が



 ・・・・・・



 かもしれない。


 いいや、かもなんて未確定な感情などでなない。俺は美優の事が * * なんだ。



 ただこの心の箱を開けてしまったらいけない気がする。心の何処かが、体の全てがその箱を開けてしまうのを、この感情と面と向かってしまうのを止めていた。


「大和君、大和君」

 体を強く揺すられて俺は初めて気が付いた。


 眼の前に彼女はいなかった。


 なんとなく覚えがある、俺は彼女に軽い別れの挨拶をしていつも通りに彼女から立ち去った筈だ。

 ああ、もうあの記念碑からはかなり遠い場所まで歩いてきていた。


「ちゃんと帰る道分かっているんですか?」

 莉乃が心配そうに問いかけて来た。ただこの質問には感情が籠っていなかった。


「道?」


「ええ、ホテルまで歩いて帰りたいと言ったのは大和君でしょう」

 なんとなくだが送り迎えを担当してくれていた部下にそんな事を口走った覚えもある。


 あれから数か月、取り敢えず人類は鬼の進攻を防ぐために木曽川沿いに防衛施設を建築した。今や木曽川をはさんで愛知川の堤防沿いにはとても重厚な壁が完成していた。


 取り敢えずの敵の進攻も起こらず安全を確認されたので利益を求めて一宮に沢山の資本家が我先にと押しかけ、開発、復興を行っていた。

 ただしそんな開発が行われているのは主に市街だけだ、愛知と岐阜の県境に来てしまうともはやそこは惨事でしかなかった。


 未だに戦場をそのままに残した状態にあるのだ。

 ただ軍事利用もある為に道路は国道だけが舗装されていた。


 高速道路を除けば、何もかもがバラバラに原型を留めていない黒土の中にポツンとアスファルトを纏った道が一本寂し気に佇んでいた。


 いま歩いている所も昔は道であった。


 ただし今は所々地面が剥き出のもう道とは呼べないただのアスファルト群の上を歩いていたのだ。


「ああ、そうだったそうだった」

 家々は破壊されているか、火によって跡も残らぬ状態になっているかのどちらかであった。

 終末後の世界、まさにここはそれであった。


「で? 大和君、さっきの娘は誰なんですか?」


「知らん」

 無視してそのまま歩くスピードを速めようと。

 肩をぎゅっと掴まれた。凄く力強く。


「そんな訳ないでしょう~」

 微笑んでいるが決して莉乃は笑ってはいなかった。


「梨奈、其処ら辺で止めておいた方がいいぞ」

 法師が慌てて莉乃を制止した。

 ああ、此奴はそういえば知っていたな。


「どうしてです?」


「それは……。あれだ、あれ」

 言葉を濁したまま法師は急に喋らなくなってしまった。


「どうしてハリマは鬼の癖して私以上に大和君の事を知っているのですか……。なんだか悔しいです」


 莉乃は立ち止まってしまった。


 しょうがないからこっちも立ち止まるが……。此奴帰る方向分かんないんだし。

 泣きそうな声で呟いていた。


 ただ俺は分かるぞ、此奴はわざとこんな事やっていると。

 そんな莉乃に戸惑った法師は慰めようと……。


「おい、教えろ。大和君の事を教えろ。ねぇ、私達仲間でしょ? 仲間の事はキチンと知りたいと思うの」

 慰めようとした法師の後ろを取っ莉乃が今にも鬼の如く迫った。


「梨奈がどれだけ迫ったとしても私は言わんよ。殿が口に出さない限りは私から殿の事を伝えることは無い」

 きっぱりと言ってのけたが、これその余波がこっちに来るパターンだよね。

 めんどくさそうなので法師と何やらやっているうちに距離を取ろうと……。


「ねぇ、大和君。あの娘は誰なんです?」


「元・同級生だ、ただそれだけの関係だ。これで満足か」


「同級生ねぇ、同級生」

 うんうんと何かに納得したかのように頷いた。


「ああそうだが」


「へぇ~、大和君はあーゆー娘が好みなんですかにゃぁ」


「おい彼奴の何処をどうとったらそんな語尾になる」


「こーゆ口調は大和君の好みなんじゃ? ほらだっていつも使っているじゃありませんか」

 あれは癖であってそんなにゃぁにゃぁ言っている娘が好みではないんだが。


「それで? 仮にそうだとしてなんなんだ?」


「そうですねぇ、いろいろと思いつきますが取り敢えず色々と力を使わせてもらってあの娘の隊を変えさせる……」



 何故だか莉乃が急に黙ってしまった。


「いえ……。なんでも……」


「ん? なんだ急に?」


 本当に此奴の事は訳が分からない。いつもなら結構この話題で話しを引っ張るのだが今日の莉乃は急に大人しくなってしまった。

 それはそれで助かるが。


「大和君怒っています?」

 振り向かなければ見えない所に下がってしまった莉乃は本当に怯えた声でそう聞いて来た。


「別に?」

 全くもって怒ったつもりは無いのだが。


 莉乃から明かりが消えてしまった、暗い莉乃だ。


 そして俺からも。


 莉乃が引き戻したのに当の本人がそちらに行ってしまったが為に俺もまたすんなりとあちらの世界に行ってしまった。


 また俺は苦しみや葛藤に襲われることとなった。


 怒っていたか……。怒っていた。

 俺の中ではやはり隠しきれないが秘めたる想いが未だ存在していたのか。 


 何故だか莉乃はそれから結局ホテルに着くまで口を開けることは無かった。

 ホテルに付いてからも、食事の時も。


 彼女はまるでお嬢様のようにとても気品に満ちたお淑やかな行動をとった。

 何故だか俺を見るなり悲しい顔をするのだ。

 

 ――女の子ってとっても勘が鋭いんですよー。


 昔、昇進祝いので家で食事会をやろーってなった時に銀雪と二人で会っていたことを感づいた莉乃の台詞が頭に過った。

 別に何もなかったのだが。

 ん? もしやあの時のあれも何かあったの内に入るのかもしれないな。

 まぁいいか。


 俺はそのままここのホテルの見るからに高級なベットに寝そべった。

 ああ、経費で泊まれるっていいな。

 ただ英雄が泊まるとなっただけでここのホテルは料金は取りませんと言ったらしいが。


 高そうなソファーや知的な本、外を一望できる窓に暖かな照明、とてもいい雰囲気だ。

 コーヒーを一杯やりたい飲みたい気分だがもう寝るので、頭がガンガンと痛むのでもうベットから置き上がるつもりなど自分にはなかった。


 照明さえも消す気になれなかった。


 優しく包み込んでくれるフワフワな、自分の家のベットって硬かったんだと教えてくれるそんなベットの上で俺は静かに目を閉じた……。


 どうして



 どうして?



 ねぇ、どうして?



 ねぇ、貴方はどうして紫水を捨てたの。


 ねぇ、それなのになんで? それなのにどうして?


 分かっているでしょう大和。貴方はとっくに知っていたでしょう。




 ――私が貴方を好きになることなどもうないって事くらい。

 



 貴方は私が紫水を好きになったから、私が貴方、大和を好きだってことを止めたから私を意識し始めただけ。

 本当は知っていたんでしょう。


 貴方は私の好意に悦に浸っていただけ。貴方からは何もする気はなかった、私からの行動を待ち続けていた。

 貴方は知ってて行動しなかった。


 



 求めてばかりね貴方は。




 他人に何かするふりをして、何かすることでさえも求めていた。


 けれどあなたはそれで満足できなかった。


 だから手を出した。


 しかし失敗した。手を出していけないモノに手を出していた。

 そう思った時にはすでに遅かった。


 去っていく周りの人を見て貴方はそれに気づく。



 そうして貴方はその日々広がっていく穴を埋めるために仕方なく私の事を好きになった。



 無様ね大和。



 それだから。


 それ故に。


 そうであるから。


 そんなのだから。



 ――貴方は誰も守ることが出来ないのよ。



「ハッァッ、ハァッ、ハァ、ハァハァ」

 聞こえるのは荒々しい自分の息。

 この部屋は俺には大きすぎた。


 自らの息だけがこの広い部屋から聞こえる唯一の音だった。

 頭に未だ声が離れることは無い。


 決して彼女にそんな事を言われたわけではないのに、彼女の声だけが鮮明に脳裏に焼き付いて離れなかった。


 孤独が全身に突き刺さった。傷口からは余裕が漏れていっている。


 冷たく、痛く、そして何もない。


 体の震えが止まらない。

 頭がまるで誰かのモノであるかのように自分の意志に反した事ばかりを過ぎらせ苦しめてくる。


「ハァ、ハァ、ハァ」

 けたたましく、心臓が脈打っている。



 ナニカ。ナニカ。


 ベットから這い出るようにずり起き部屋中の何かと出会う為に這い回る。


 スマホ……。ゲーム……。漫画……。


 そんなモノは無い。そんなものは持ってきていない。



 ナニカナンデモイイ。


 

 ナニカ、ナニカヲ。


 

 寂しい、虚しい、苦しい、苦しい。イヤダ、イヤダ、イヤダ。


 恐怖を伴わない恐怖。


 自らへの嫌悪、自らへの憎悪。

 留める事の出来ない、決して見てはいけないモノの影を見てしまった気がする。

 ダメだ、駄目だ。


 これ以上踏み込んでしまうと、これ以上探求心に駆られてしまうと俺はまた俺でなくなってしまう。

 俺はまた弱い人間になってしまう。


 なにか、なにか。


 詰まりそうで詰まる事のない、絶えそうで耐える事の無い自分の、嫌いな自分の声だけがうるさく響いている。部屋にも耳にも、体内までも。 

 ナンデモイイ、何でもいいからこの虚無を埋められるものを。


「ガハッ」

 頭が壁にぶち当たった。

 痛くない、居たくもないこんなところ。


 苦しい、苦しい。

 俺は一人俺は一人俺は一人俺は一人。


 誰も決して守ることが出来ない。


 

 掻き毟るように冷蔵庫を開けた。

 大きな大きなそして中身が見えるようになっている冷蔵庫にすら俺は縋りついていた。


 冷蔵庫の中にはジュースと……。




 そうお酒だ。酒だ。


 

 莉乃は嫌な事があった時には何時もこれを呑んでいた。ああ今なら本当になんにでも縋っちゃいそうだ。


「ハァハァハァ」

 一先ず息を整えなければ、何とか落ち着けなければ。


「ハァハァ……」

 止む事の無い荒い荒い吐息。

 はぁはぁ、これであと少しで救われるというのに、あと少しで解放されるというのに……。


 イイカラ、イイカラ。


 手が体が震えていることは分かってはいるが止めることなど出来なかった。体の全体が自らの命令に従うことは無かった。

 そのまま一気に体内に液体を流し込んだ。


 可能な限り、出来るだけ、出来る限り多く自らにそれを押し込んだ。


「ガハッ、ゴホッ」

 噎せ返って酒の一部をせきこみに紛れさせて、堰を切ったかのように吐き出していた。


 それでもなんだか体が熱くなって、少し症状が収まって来た。

 段々と荒っぽい呼吸も平穏さを取り戻してきたのだ。


 モットモット。

 欲望のままに酒を飲み干した。

 

 熱い、熱い、熱い。それでなおフワフワとなんだか。

 なんだか、余裕が生成されていくようなそんな心地だ。

 軽く口を拭って、そおしてそおして



 そうして、そうして……。


 

 あれれ、なんだったんだっけ、まぁいいや、まぁいいか。





 スッと記憶が不鮮明で黒くぶり潰された。



 おじいちゃん、おじいちゃん。今日も歴史の話して。


 ええぞぉ、今日は山内一豊の話をしようか。ちゃんときいとりゃーよ。

 お爺ちゃんこの人好きだよね。


 そりゃぁ、儂が人生を尽くして研究し来た人じゃもの、当たり前じゃろ。


 出た出たじゃろだ―、じゃろだー。お爺ちゃん一体何時の時代の人の真似してるの?


 癖だからにゃぁ、そんな事言われても。だが爺ちゃん若い頃かずっとじゃろじゃろゆーとったよ。



 ――ああ、俺は騙していた。



 大和。爺ちゃんは悔しいんじゃ、儂の一生をかけて来たのになーんにも残せるようなこと出来んかったんやから。ただ目を向けて貰う事くらいは出来たもしれん、儂にはそれくらいのことしかでーきぃせんかった。だからなぁ大和、爺ちゃんおみゃあに期待しとるでー。おみゃぁは爺ちゃんよりも凄い事してくれると信じ取るでよ。

 爺ちゃんはあの調査の結果を皆に見せたかったにゃぁ。



 ただじいちゃんは知っていただろう、あの時俺に歴史への興味など微塵も無かったことくらい。

 ――その言葉を最後が俺とじいちゃんの最後の言葉となった。



 いくさの女神アスタルテ、そして我が名イフリート、お互いの名前から取り合ってイクサルフリートとしようかギルドの名を。


 え―、戦の女神からとってるだけで私の名前入ってないじゃん。


 イクサ軍艦フリート。それが俺たちの名前だ。それともアスタルテたんを愛でる会の方が良かったか?


 アスタルテたんゆうなー。


 それとアスタルテたんがマスターだ。


 だからたんゆーなよ。お前俺の中身男だって知ってるだろ、それに最近TwitterのDMでライン交換しただろ。


 だめだめアスタルテたん君はオレオレ系娘路線の見た目にしてないだろ、ちゃんと私に戻さないと。ここでの女キャラにしたのなら皆を楽しませる義務があると俺は主張しよう。


 えぇ……。



 ――ああ、なんでこんな記憶が。



 大和ごめん。俺嘘ついてた。


 俺学校行ってないんだ。

 実は結構苦しい。


 もう死んでしまいたいくらいに。


 もう消えてしまいたいくらいに。


 ああ、大和。わりぃ、お前とのオフ会もう無理だわ、俺氏今日星になるから。

 




 なぁ、なんで……。何で止めてくれないんだよ。





 ああ今日学校だったなお前は……。





 なぁ大和助けてくれよ……。


 た


 す


 け

 

 て




 これを最後に彼からラインが来ることは無かった。ネトゲにも表れることは無かった。

 学校から帰ってきてどれだけ俺は止めの言葉を書いても、TwitterにDMを送っても彼からの返信は、彼からの既読でさえも付くことは無かった。


 ――守れなかった。


 紫水も、美優も、じいちゃんも、イフリートも、転校してった彼奴もクラスの人も家族も誰一人として残ってていない。俺は俺の居場所でさえも守ることが出来なかった。

 

 ぼやぼやした黒い塊は人影になってやがて質感が現れ色がついて……。


 そうしてそうしてみんなみんな俺が心を開いた人間になって行く。

 そしてみんなみんな俺に気が付かぬまま行ってしまうのだ


 俺が必死に追いかけても、走っても叫んでも止まることは無い。

 

 みんな俺の前から消えていってしまう。


 みんな俺を捨ててどこかへ行ってしまう。


 どれだけ喉を潰そうが、肺を裂くほど走ろうが彼らは俺よりも先に言ってしまった。


 寂しい、寂しい。苦しい。

 待ってくれよ。俺が何したっていうんだ。俺にどうしろっていうんだ。

 

 砕けるように俺は何もな所に座り込んだ。それでも彼らは先に行ってしまう。

 涙を流そうが喚こうがこれだけは決して変わらない。

 俺はやっぱり一人だ。一人でしかない。誰にも見向き去れない、誰もが見捨てていく。


 悲しい、悲しい。

 どうして、皆いなくなるんだよ。


 ああ、俺が悪いよ。爺ちゃんの件も、友達だと信じていた赤坂が保育園卒業を機に何も言わずに何処かに行っちゃうのも、紫水のも、美優のも、イフリートのも。

 全部おれが悪いのだ。


 だから皆立ち止まってはくれなかった。


 軽く頭が撫でられた。


 なんと心地よくそして満たしてくれるのだ。


 痛みを伴うのだがそれはしっかりと自分の全てを癒してくれる。

 何だか肯定してくれているような、自らの全てを認められてくれるようなそんな心地だ。

 それは溶けてしまいそうなくらいに。


 ああ、このまま……。このまま……。このまま……。


 何かとは分からないモノに包まれながら俺はゆっくり眼を閉じた。



-----------------------

 

 カーテンの隙間から零れ出ている光の温かみ、ああ朝か。


 眼を開けなくてもわかる。


 体と頭がボーとするそれ以外の要因あってか非常に怠い。

 でも何故だかここに居たい気分だった。


 それはとても心地よくもうひと眠りしたくらいだ。


 光の温もり?


 何だか周りがとても優しくていい匂いで全身の力が一気に抜け落ちてしまっている。


 キュッ?

 

 あれ? 自分は何かを握っているようだ。

 

 ああ、全然思い出せない。多分ここはベットの中。記憶がないがよくここまで来れたなぁ。

 高級羽毛布団、欲しいな。

 このまままた意識を遠ざけてしま場きっといい気分だろうな。このふかふかした布団と……。


 あれ?


 布団のふかふかさと……。


 あれ?


 全身に疑念が走り回り暴れ出した。 


 あれだけ重たかった瞼が急に重みを無くし無重力状態になった。

 起きているか寝ているかイマイチ分からない状態であったのが完全に覚醒したのだ。


「これは……。この状態は事後なのか……」

 俺が握っていたものそれは莉乃のパジャマの一部であった。

 昨日と違う頭の痛みに悩まされる中、隣で莉乃がすやすやと眠っていた。

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