二話
「私が新入生挨拶?」
「そうよ。これはとても名誉なことなの」
「さすがマリアだ」
シャーロン伯爵はそう私を上げたあと、「レミリアとは大違いだ」とお姉様を下げる。私はシャーロン伯爵が――
「お父様。大好き!」
私はシャーロン伯爵に抱きついた。私の真意を見抜く者はここにはいない。
――なんて、愚か。
私が学園の中等部に入学したとき――ある少年に声をかけられた。
「君が噂のマリア嬢?」
「はい。そうですけれど……噂って?」
噂なんて一つしかないだろう。私とレミリアについてしか。
「君は本当にお姉さんを愛しているんだね」
彼が変装した王太子であることはすぐに分かった。だから、私はこいつを利用することに決めた。
「はい。私はお姉様が大好きなのです。でもお姉様はそうじゃないみたいなんです……」
ポロポロと涙を流して見せれば王太子はすぐに落ちた。
――なんて、愚か。
中等部を卒業し、高等部に上がって王太子が公的入学してきた。
「マリア」
好きだ――と。婚約者になってくれと彼は言った。
――これは利用できる。
レミリアをこの国から追い出そう。
「ふふっ」
レミリアには聖魔力があり、聖女になれる素質を持っている。だから、わたしはそれを奪うことで聖女になれるだろう。ただ、ずっと聖魔力を奪い続けなければならないのは確かだ。
それを解決するのは簡単だ。私とレミリアを魔力の糸で繋げればいい。
そして、私を聖女として正式に任命させた上で王太子に「レミリアに危害を加えられた」と訴えればいい。
「レミリア・シャーロン。貴殿を国外追放とする」
可哀想なお姉様は弁護人もつけられず裁判にかけられ、国外追放になった。笑いを堪えていると王太子が声をかける。
「大丈夫か?手が震えているぞ」
「心配で……」
そんなわけがない。レミリアのこの先を思うと笑いが止まらないくらいに。
今回も短くてごめんなさい……




