引きこもり予備軍は魔法無双の夢を見たい
数年が経ち、無事に二足歩行とこの世界の言語で喋ることができるようになった。
いくつか分かったことがある。
まず家族構成
父 ベイン・スナイト
備考 魔法が使える・優しいが少し大雑把な感じ
母 マル・スナイト
備考 とにかく優しくて子供思いな感じ
長男 フリード・スナイト
備考 しっかり面倒を見てくれる。8歳年上。
そして次男であるこの俺、カイン・スナイトという4人家族だ。
あと前世基準でいくと多分ものすごく顔が良い部類に入るだろう。
次にこの家は裕福でしかも貴族だ。
家に領民らしき人がたまに来ていたが、その人らは苗字がなかった。
あとは父を「領主様」と呼んでいて確信に至った訳だがそんなことはどうでもいい。
どうせ家を継ぐのは長男であるフリード兄さんだし、俺もせっかく異世界転生したのだから領地経営なんたことは全く興味がない。
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動けるようになって色々できることが増えた。
兎にも角にも、文字が分からなければ話にならないだろう。
父に聞いてみるか。
この時間なら外から帰ってくるはずだ。
「ねぇ、パパ」
「どうしたカイン、自分からパパに何か聞くとは珍しいな」
落ち着け、大切なのは俺が変だと家族に悟られないことだ。
3歳児らしい頼み方を考えろ。
「実は僕、文字を覚えたいんだけど・・・・ってええ‼」
なぜかベイン父さんがむせび泣きだした。なにかまずかったか⁉
「いや、すまない、あんなに小さかったカインが自ら文字を覚えたいと言ってくれて、
父さん思わず感動しちゃって」
そして泣きながらがっちりと俺に抱き着いて
「ついてこいカイン、うちはド田舎でほかに比べても貧しいがそれでも貴族、少ないが本がある。
読み聞かせをしよう」と言って2階に上がっていった。
父の涙腺の低さには驚いたが、何はともあれ成功だ。
俺は父についていき2階に上がっていった。
「まずは読み聞かせをしてやろう。子供だから・・・3英雄のお話からだな。
これは俺が子供の時もよく聞いた話だから、カインもきっと気に入るはずだぞ。
昔々あるところに・・・・・
というお話だ。」
「あなた~、村のゼムイさんがいらっしゃたわ~」
「おっとすまない、お客さんだ。
続きは今度読んでやるからな、楽しみにしとけよ。」
そういって父は下の階に降りていった。
それからというもの、基本的には一日中本がある部屋に居座って文字を覚えることに努めた。
本は4冊しかなかったが文字を覚えるのには十分な冊数だった。
言語が日本語に近かったのもあったのだろう。
文法は日本語と同じだから、単語さえ覚えてしまえば楽勝だった。
家にあったのはこの四冊だ。
・クレイン国家地理全集
クレインという国(多分住んでる国?)の地域ごと名前や名産品などから諸外国について書かれている。
・3英雄伝説
3人の英雄である ミロ、ケイト、ブルクが、悪しき魔神と魔帝を打ち倒し世界を救う物語。今から2500年ほど昔の実話(?)が元になっている。
・メロイン英雄伝
メロインという人が、悪しき魔王と魔族の一部種族とそれを先導したコムイという人を倒す物語。今から1000年ほど前の実話(?)が元になっている。
・一般魔術全集
初級から上級までの攻撃魔法、回復魔法といくつか生活に役立つ魔法が書いている。
4冊のうち2冊が童話に近い内容だったが取り合えず全て読んだ
やはりこの中だと一般魔術全集が一番興味がそそられる。
いくつか分かったが、
1.魔法は3種類に分類される
・攻撃魔法:その名の通り敵を攻撃際に使う魔法。強いものだと1人で国家崩壊も可能。
・回復魔法:その名の通り回復する魔法だがケガだけではなく解毒魔法もこれに分類される。強いものだと
欠損も回復可能。
・生活魔法:攻撃、回復に当てはまらないものは全てこれに分類される。
この3つ以外には存在しないらしい。
某RPG系ゲームで例えると
・攻撃魔法:メ〇、メ〇ミ
・回復魔法:ホ〇ミ、ベホ〇ミ
・生活魔法:ル〇ラ、リレ〇ト
といったところだろうか。
2.魔法は強さによって分けられる
下から、初級<中級<上級<最上級<魔王級<魔帝級<魔神級 と分けられるらしい。
さっきの例えでいくと、メ〇<メ〇ミ<メ〇ゾーマ 的な感じだろう。
ただ最上級以上が使える人間はほとんどいないらしい。
この本によると魔法を使えるのは人族だと7割、中級以上が使えるのがそこから2割、上級が使えるのはそこから1割未満、最上級が使えるのは人族の中では2,3人くらいらしい。
技術ではなく魔力量の関係らしい。
多分、上級魔法を魔法コマンドの中に入れるのは難しくないのだろう(この本に載ってるくらいだし)。しかしMPが足りなくて”ダガ MPガ タリナカッタ‼”的な感じになるのだろう。
3.魔法のの使い方は3パターン
・詠唱:その名の通り、ただ上手な人は端折ったりできるらしい。
・無詠唱:字のごとく、ノーモーションで発動できる。
・魔法陣:あらかじめ特殊な方法で魔法陣を書き、それに魔力を流し込み発動する。
ただ無詠唱はやはり難しいらしく、魔法使いの大半が詠唱or魔法陣らしい。
5.攻撃魔法には属性がある
無属性:全ての魔法の基礎、これが出来なきゃ魔法は使えない。
あとは火、風、土、水、で5大属性とよばれるらしい。
(まぁ使ってみたほうが早いか)
早速庭に出て魔法を使ってみよう。
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「わが身体に流れる魔力よ、
内なる火の魔法をいざ呼び出さん、ファイヤーボール」
おお!出たぞ出たぞ火の玉。
まさか1発で魔法がつかえるとは父の才能が遺伝したのか?
(なるほどね)
魔力を通していれば魔法を維持できて、魔力を流すのをやめれば魔法は離散し消えるというわけか。
しかし気になった点がある。
今、魔法を詠唱している際に血管ではない何か管のようなものが熱くなったのを感じた。
推測だが、魔力が流れていたのだろう、だから魔力管とでもしておくと
さっき詠唱したとき「呼び出さん」まではその魔力管から手のひらに魔力が集まっていき、
「ファイヤーボール」と唱えた際に手のひらから魔力が一瞬で消え、手のひらの前に火球ができた。
詠唱はじめ→魔力管に魔力が集まる→手のひらに魔力が集まる→詠唱完了→魔法完成
の手順で魔法を使うわけだが、いくら何でも魔物や敵と戦っているときにこんなのやってられない。
ようは前世の格ゲーのコンボに近い感じだ。例えると→↓↘Aを手動でやるのが詠唱だとしたら、無詠唱はマクロを組んで自動でやるという感じだ。
(少なくともこんなの覚えられない。)
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「出来た‼出来た出来た‼」
4時間近く粘り続けた甲斐があった‼
必死にやり続けてついに魔法をマクロ組んで発動することに成功した。
そう難しい話じゃなかったんだ。
詠唱=手のひらに魔力を集める
というのを、ただ詠唱しなくても手のひらに魔力を集めれるようにさえしてしまえば
つまり手のひらにはただただ魔力を集めるだけというのに変えて、あとは魔力をファイヤーボールに変化させる手順さえ掴んでしまえば、あっという間に無詠唱魔法使いの完成だ。
「今日は疲れたな・・・」
よく考えたら4時間近くぶっとおしで魔法を使える俺の魔力総量って結構すごいんじゃね?
いや、調子に乗りすぎたみたいだ
初級ならこんなもんだろうな。
まあ前世の失敗を生かし、今度は調子に乗らずに謙虚に生きよう。
「カイン~、食事の準備ができたわよ~」
「今戻りま~す」
(明日からは火の中級とほかの初級を習得しよう)




