3.とりあえずは朝食だ
※夫婦の会話がメインです。苦手な方はご注意ください。
翌朝、妻は一睡もしなかったようだ。どんよりとした顔でぶつぶつ呟いていて不気味だ。
どうやら本気で除霊できる霊媒師を探していたようだ。うん、依頼する前に全力で止めよう。
「だって、だって、私たちの可愛い遼太はどうなっちゃうの?
あんな“ござる”になっちゃったなんて嫌すぎるぅー」
号泣である。ちょっと面倒だな。
「遼太はまだ寝てるんだな?よし、とりあえずもう一度情報を整理しよう...
あのござる侍は次の満月には憑依がとけていなくなる(はず)、
そしたら遼太は元に戻る(はず)、
あとは~...」
「わたし除霊についていろいろ調べてみたのよ。問い合わせしてみようよ!」
「えぇ~、そんなの高額料金ぼったくられて終わりだって!」
「お金の問題じゃないよ!彰人は心配じゃないの?変な侍の霊に憑りつかれてるなら除霊して追い出さなくちゃ!」
いやいや金の問題はデカいぜ。リーマン舐めんな!
「いやいや、幽霊じゃなくて異世界から来たって言ってたじゃん!侍だったら異世界とか知らないだろ!」
「厨二病の侍かもしれないじゃん!」
「厨二病とか余計知らないだろ!お前もっと落ち着けよ!」
「なによ…」
ショックと寝不足で冷静さを欠いているのだろう。妻はぐすぐすと泣き始めた。
「なぁ、心配なのはわかるよ。でもまずは遼太が起きるのを待ってから決めようぜ。
もしまたござる侍が喋ったら、いろいろ聞いてみて、それから判断しようよ。
今はまだ何が正解かわからないと思うんだよ、俺は。」
「うん、わかった…。わたし遼太の幼児食用意するね。
遼太、昨夜は一回も夜泣きしなかったから、きっとお腹すいてるし…」
息子は夜中にも起きて母乳を要求する。まぁこれは俺もうるさくて眠れないから「とにかく泣き止ませてくれ」って言ったのもいけなかったが。
おかげで余計に母乳離れができない要因になってしまった。ぐぬぬ。
「あのー俺にも朝めし作ってくんない?俺たちもしっかり食べないと。とりあえずコーヒーは俺淹れるからさ。」
「そっか、今日は土曜日だったね。じゃあみんなの分用意するよ。」
平日はコンビニで買ってそのまま会社で食べてるけどさ、メシまで忘れられたら俺悲しいぜ。
簡単なピザトーストとヨーグルトにコーヒーの朝食をとった。
そろそろ8時半になる。遼太が起きてきたらどうなるだろうか。
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