91話 不死身
デイブレイクは素早く動き、鎖を左手で掴みそのまま大きく振り回した。
刀が再びソルシフルーの左腕に向かい飛んで行った。
「先ほどは油断したけど、同じ手をつかうとわね〜。」
右手を刀に向けて大きめの蒼い炎を放つと、炎が刀に当たったが刀はそのまま飛んできた。
『えっ!?この火力でも…。』
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救出部隊のメンバーがもうすぐ獣人族の領土を出ようとしていた。
「妖精回帰?」
猫剣王が聞き返した。
「はい、エルフ族には妖精力を高めて妖精と意志や心を交わした者が使える変身魔法の様な物です。
ただこれから戦う事になる可能性のあるソルシフルーは、妖精化の力での妖精回帰が使えます。」
ラトュールルが答えた。
「妖精力の妖精回帰と、妖精化した者を宿した力での妖精回帰ってそんなに違うのか?」
猫剣王が尋ねた。
「妖精力の場合、その者と周囲の妖精との信頼度で強さが変わりますが妖精化の場合、主人となるソルシフルーが強制的に妖精化した者の魔力、生命力を奪えるのです。
つまり妖精力で行う、妖精回帰の最大値の力を使えて、妖精化した者の生命力が尽きるまで不死身です…。」
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大量の血が飛び散り、ソルシフルーの左腕が地面に落ち大きな悲鳴を上げた。
「ギャーーーーーーーーー!!!」
デイブレイクが不気味に微笑みながら話した。
「腕頂き…俺の吸血魔法を甘くみてたな?
お前の足元に落ちてる鎖の欠片から吸わせて貰った、貧血じゃ魔力を上手くコントロール出来ないだろうな!」
『何こいつ?雰囲気が全然違…。』
再び大量の血が飛び散った。
「こっちの腕も頂き、おっ右手の指の調子が元に戻っているな。」
デイブレイクは刀を右手に持ち帰ると、横に振りソルシフルーのお腹を切り裂いた。
飛び散った血や、傷口から血がどんどん鎖に吸い込まれていく。
「妾をここまで怒らせるとは、貴様を弄び惨殺してやるわ…妖精回帰、ラーブルフェアリー・ソルシフルー!」
ソルシフルーの背中から4枚の薄い水色の、蝶の様な透明な羽が生えて、羽は大きくなっていきソルシフルーを包み込んだ。
羽は放電し燃え落ちると、薄い水色の二枚の翼が生えており、両腕が再生して傷がひとつも無くなっていた。
「アージュ・エレバーン!」
ソルシフルーが地面に両手を叩きつけると、デイブレイクの周りを囲む様に地面から雷を纏った蒼い炎の柱が噴き上がった。
『囲まれたか、それよりも腕が再生していたな…。』
ソルシフルーは両手で手を繋ぎ強く握り声を上げた。
「アージュ・ ラ・ヴァ・エタンゼルド!!」
炎の柱がデイブレイクを包み込み大爆発を起こし、蒼い炎と蒼い溶岩が地面を焼いた。
「妾を怒らすと肉片も残させないわ〜。」
立ち上がり高笑いをした。
「月血解放・赤鬼…。」
凄まじい火傷で体中の皮膚が垂れているデイブレイクがゆっくりと炎と溶岩の中から歩いて来た。
シューーー、身体から煙が上がって皮膚が徐々に再生していく。
「化け物ね、妾も貴方も…アージュ・ラ・ヴァ・レイ。」
ソルシフルーの両手から蒼い雷の様なレーザーを放ち続け振り回した。
デイブレイクは刀を振り、鎖でレーザーを防いでいる。
「鎖散龍星群!」
大きく刀を縦に振り降ろすと鎖の輪が一つ一つ外れて、空中に浮かんだ。
刀をソルシフルーに向けて突き付けると、空中に散らばった鎖の輪が勢い良く飛んで行った。
「アージュ・ラー・メテオ!」
ソルシフルーは蒼い雷の球を放ち、その直後に蒼い炎を雷の球にぶつけた。
球は小さく爆発し散らばった欠片が放電しながら、爆発の勢いで飛んで行く。
鎖の輪と雷の欠片は、ソルシフルーとデイブレイクの丁度真ん中辺りでぶつかり合い二人を包み込むほどの大きな爆発と煙を上げた。
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「吸血鬼がねー、血を吸われて死んじゃったんだよー!ありえないっありえない!」
「それより速く爆発の場所に行こうよ!
ヒーローが遅れて登場するにはもってこいの爆発だったよね!」
「だね〜!だね〜!」
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