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セリアンスロピィ・ファンタジー  作者: 癒雨助
新世界征服戦争編〜1章〜開戦の激闘
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79話 シュヴァード

ガーベラ王城では、オンクルとグロリオーサの

国王ゼースとダリアの女王ブリズクイーンの3人が

緊急の会議を開いていた。



金髪短髪に小麦色の肌の、ゼースが声を上げていた。


「予想通りガーベラ山脈に、エルフ族の進軍が

あったそうだが、その後の情報が止まっている!

オンクル王、ブリズクイーン女王、情報は無いか?」



「伝令隊の報告によると、魔族二人の乱入により

獣人族は壊滅的だそうです。」


薄い深緑色のロングヘアーのブリズクイーンが

曇った表情で呟いた。



「わしも、5時間前ぐらいに異変を感じて、援軍と

伝令隊を送ったんだがなー。

連絡がなくてなー…。」


シワだらけの肌の長い灰色髪のオンクルが、

小さな声で話した。



「少し離れた所に新しく防衛地点を置き、撃退する

のはどうでしょう?」


「ブリズクイーン女王!それは、今戦っている者達は

無視するのか!?」


「オンクル国王殿の話を考えると、戦場で生き残って

いる者がいるかどうか………。」


「あの戦場には、グロリオーサ騎士団達がいる!

必ず生き残っている、今すぐ援軍を出すぞ!」

ゼースはすぐに立ち上がった。


「やれやれ、自分の国の者達の為か……。

わしの国の者もおるし、聞いてやるかなー。」

オンクルもゆっくり立ち上がった。









岩石地帯の戦場には、900人以上の獣人族が

倒れており獣人族は、魔族とエルフ族の少年から

逃げ惑うので、精一杯だった。


そして、魔族の1人の少年とエルフ族の少年が

向かい合っていた。




岩石地帯の岩陰に傷だらけの獣人族の青年が、

生気を失った表情で、岩にもたれ掛かっていた。



『くっそー、連戦で全く体力が残ってねぇー。

死にたくねぇーな、英雄三騎士と呼ばれた俺が

情け無ぇなー。

ってかなんでこんなめんどくせぇー事になったんだ。


まず俺は、今日も何事も無いように願いながら

雲を眺めていたんだよなぁー。

そうだ、その雲から強力な酸の雨が降って来て

雲から4人のエルフ族が降りて来たんだよなぁー。


雲使いと酸使いのエルフ族を、めんどかったが

倒したんだったなー。

その連戦のせーで今死にかけてるんだが……。


それで残りの2人の内1人は、急に暴れ出した少年

なんだが、ガーベラ騎士団のおっさんがエルフ族に

捕まって、急に乱入して来た魔族に、殺されてから

暴れ出したんだよなー。


残りの1人のエルフ族はどこ行きやがった?

ガーベラのおっさんも結構強かったのに、あっさり

魔族に殺されたし、援軍もこなさそうだし……。』



「めんどくせぇーが、もうひと暴れするか。」


小麦色の肌に白い長髪の青年の表情が、生気を失った

様な表情から、覚悟を決めキリッとした表情に

変わった。


「おやおや?おやおやおやおや!

お兄さんニュイニュイと遊ぼーよー!」


青年の前に黒い傘を差した、濃いピンク色の丸っこい

ボブヘアーの少女の吸血鬼が、青年が隠れていた

岩の上に乗っていた。


「巻き上がれ!」

青年が剣を振ると、硬い岩を粉々に砕き

ニュイニュイも吹き飛ばした。


吹き飛ばされたニュイニュイは、傘でふんわりと

降りてきた。

「うわぁー!すごい!すごーい!」


『なんだこの餓鬼…めんどくせぇー。』


「えいやー!えいやー!」

声を上げながら、傘を振り回した。


『めんどくせぇーし、うぜぇー。』


ニュイニュイが傘を振り回し続け、青年が

軽々しく避けていた。


「お兄さん名前はー?」


青年は剣を大きく振ると、傘だけを吹き飛ばした。

「俺はシュヴァード、少しペースに巻き込ま……。」


ニュイニュイは叫びながら岩陰に縮こまった。

「傘がぁあああああ!!!」


「傘?」


「吸血鬼は陽にあたると、しんどいんだよー。

だから傘がないと……。

あーっ!!もう夜だったー!夜だったー!」

ニュイニュイは岩陰から、直ぐに飛び出し両手を

月に向けて動き回った。


『はぁー……。めんどくせぇー……。』

最後まで読んで頂きありがとうございます!


次回もよろしくお願いします!

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