63話 優美な鳥
「猫剣王、相変わらず無茶苦茶な強さだな。」
マーズが呟いた。
ハル国王は震えており、ブリズクイーンは下を向いて
目を逸らしており、オンクルは目を開けたまま
岩のように眠っていた。
「ジュピテール王!どうするつもりだ?
猫剣王と言う者をエルフ族に差し出せば
のちのち、獣人族の脅威になる様な予感がしてな。」
ゼースが声を上げて、尋ねた。
続いて、ブリズクイーンが話し出した。
「そうですね。猫剣王殿については
ジュピテール国王殿も、知らない話があったので
このまま差し出すのは、少し不安ですね。」
ジュピテールは、黙り込み悩んだ後に話し出した。
「猫剣王殿を差し出さずに、2人の騎士団員を
助け出す方法を探す。」
マーズが、立ち上がり話し出した。
「だから、戦いだって言っただろ?
猫剣王を囮にして、2人の安全を確保出来たら
総攻撃でエルフ族を潰せばいい。」
魔法で青紫色の水晶を作り、握り潰した。
「仕方ないな、戦うからには必ず勝つぞ!」
ゼースも気合いを入れて立ち上がった。
「仕方ないですね。」
「戦うのがよかろー。」
「全力でサポートします。」
「5日後に遅れないように、戦闘準備をはじめる!」
ジュピテールも立ち上がった。
ジュルルルルー!
「何の音だ!?」
液体を啜る音が聞こえて、全員周囲を見渡した。
ジュルルルルー!
「ギヒヒヒ、ヒッヒ!
キュリノスのヤロー、ナイフブッ刺しヤガッテ!」
ジュルルッルー!
エルフ族の倒れていた9人の中の1人が、
他の8人の血を啜り終わると、立ち上がった。
そのエルフ族の男性は、鋭い目つきに、真っ赤な髪で
口元は血塗れだった。
「ギヒッヒャー!
チー飲んだから、アバレテー!」
「が、ドハデな情報を聞いちゃったからな。
バイビー!ギヒヒッヒ!」
男性は笑いながら、魔法の羽を作り、天井の穴を
通って飛んでいった。
ジュピテールはすぐに、お供についていた
長い茶髪に、少し茶色の髭の生えた
騎士団長に命令をした。
「まずい!すぐに伝令隊を呼び
第2部隊隊長のチタを向かわせてくれ!」
「かしこまりました。」
騎士団長は、たくましい声で返事をすると
すぐに会議室を出て行った。
「私もエルフ族の後を追いましょうか。」
ブリズクイーンが立ち上がると、軽く飛んで
天井の穴から上の階に飛び、上の階の割れたガラス
の大きな窓から飛び降りた。
「半獣化。」
すると、ブリズクイーンの美しい深緑色の髪が
さらに綺麗なエメラルド色になって、後ろ髪が
かなり伸び、手が羽根の様な形を作った。
「エールブリーズ。」
ブリズクイーンは、黄緑色の風を纏いながら
滑空してエルフ族の男性の、後を追って行った。
半獣化して、飛んでいたブリズクイーンが
着地し半獣化を解いて話しかけてきた。
「最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
次回もよろしくお願いしますね。」
ブリズクイーンは、丁寧なお辞儀をした。




