14話 戦争の清算を
「あの件とは、副騎士団長不在の件ですか?」
と騎士団長が尋ねた。
「いや、それも早めに片付けたいが13年前の梅雨霧戦争の清算を!」
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13年前の6月雨の降る日、コスモス王国の南の領土にアジサイ王国の騎士団が攻めてきた。
コスモス王国はすぐに南の領土に騎士団を送り応戦した、しかしコスモス騎士団は壊滅的被害を受けてその中には、現国王の兄マーズもいた。
そしてアジサイ王国の騎士団は、王都まで攻めてきたのだ。
驚いた事にそのアジサイ王国の部隊の先頭にいたのはマーズだった。
マーズが裏切りそれを止めるべく、限国王のジュピテールはマーズと剣を交えた。
ジュピテールとマーズの戦いはジュピテールの劣勢であった。
そこにコスモス騎士団の大増援が駆けつけ、この戦いにケリが着こうとしていた。
しかし、全てマーズの作戦通りだった。
コスモス王国の戦力がマーズに目が向けられている隙に、アジサイ騎士団達は容易に王都に潜入してジュピテールとマーズの妹のメルキュールを拐い去っていった。
さらにジュピテールとマーズの戦いは、マーズが不意をつき逃げ去られてしまった。
その後コスモス王国は宣戦布告し戦争を始めるが、戦力は均衡し長い戦いが続いた。
互いに降伏することはなかったが、決着がつかないまま年月が経ったのであった。
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「メルキュール…。」
暗い表情のアルスが呟いた。
「思い出すだけで腹立たしいな、だが今さら戦争を仕掛けようというのか?」
国王は猫剣王に問いかけた。
「ああ、そうだぜ!今が好機なんだアジサイ王国はハルジオン王国に宣戦布告したらしい…。
それに梅雨霧戦争は、まだ終わってないぜ!」
その場の全員が驚いた。
「あの平和国家を狙うとは、卑劣な!確かに戦争もまだ終わってないが…。」
国王が怒りながら話した。
「この好機を逃してはならないぜ!アジサイ王国に小隊を送りメルキュールを助け出し、マーズを討ち取ろうぜ!」
「よし!分かった。情報を感謝する猫剣王殿、明日緊急国家会議を開くとするか。」
「国王、明日の会議に息子さんのバラン君を連れて来てくれ!」
「分かった、ご馳走になったな。」
国王は立ち上がり帰って行った。
そのあと猫剣王と騎士団長は少し世間話をしていた。
「ティーグル・アルス、いつまで情けない面をしてるんだぜ?」
猫剣王は立ち上がると、アルスのおでこに猫パンチをいれた。
「いて! 猫剣王様何するんですかぁー。」
おでこをさすりながら声を上げた。
「さてとお開きにするか、じゃ〜な〜!」
と言って猫剣王は窓に向かって走って行き、屋根に登り帰って行った。
「騎士団長ご馳走になりました〜。」
酔っているアルスがふらつきながら歩いて行った。
「あ、ちょっとティーグル・アルスよ待ちたまえ!」
騎士団長は慌てて声を上げたが、アルスには聞こえていなかった。
「お会計220万オンになります。」
と店員さんが言うと騎士団長は、ふらつきながら払った。
『私の2カ月分の支給が……。』
店を出た騎士団長は倒れたのだった。
お金について
コスモス王国の通貨はオンで、1オン=1円です。
通貨は全部コインでそれぞれにネコ科の
動物の絵が彫られてあります。
1番高いコインは、10万オンで金色のコインで
ライオンの絵が彫られています。




