うお、でっか……
「ナンちゃん、ロープになれるかい?」
シャム・アヴィスさんがそう言うと、何処からともなく乳白色の牛が現れて、ロープになった。
「えっ」
「彼女はナンちゃん。シャムくんの従魔だ」
「アヴィスさんテイムも出来るんですか」
「おっ、君教養あるタイプか」
青髪のナタリーさんがにやりと笑う。
「えっと……前に本で読んだことがあって……」
「普通はできねーの?」
シャム・アヴィスさんが言った。
「テイムに適した魔力っていうのがあるんだよ。適した魔力っていうのも、1億人にひとりの確率なんだ。だから、普通は『魔獣をテイムしたぞ!』とか言っても『そうなのかー』か『本当にそうか?』という反応しか出来ない。前者は教養のないマヌケで、後者は賢人だね。それにしても、君はいろいろてんこ盛りだなあ。ひとりでパーティーでもやっているのかい?」
「へー。そうなんだ。なんかあっさり仲間になったけどね。まぁ俺は天才だからな。何が有っても仕方がない! 天才だから!」
「モォ! モォ!」
ナンちゃんは「そうだそうだ!」と言っているらしい。
「かっこいい」
「でしょ。兄貴って呼んでいーよ」
「すぐ調子に乗るんだから……」
シャム・アヴィスさんが言う。
いや……兄貴!
「よろしくお願いします! 兄貴!」
俺がそう言うと、兄貴はにやりと笑ってナタリーさんを見た。
「ウッゼ~! 君も君だ! こんなおバカさんにへこへこしてたら大きい男になれなくなってしまうぞ! ボクが面倒を見てやろう! どうだい」
「兄貴は兄貴だから……」
「えーっ」
ヘルトさんがつまらなそうに言う。
「誰かに似て頑固なんだな」
「デカく燃える心を見たのさ! 彼の瞳のその奥に炎となって燃え盛る心をね!」
胸を張って言い続ける兄貴にナンちゃんが絡み付き、それから俺や他のみんなにも絡み付いた。
「兄貴が先頭なんですね」
「おうよ! 俺がパーティリーダーだからな!」
「なんだいなんだいここぞとばかりに」
そうしてしばらく歩きつづけると、開けた場所に出た。
「どっひゃーっ!」
ドナさんが叫んだ。
空間の中心には大きな三叉槍があった。
「これは……」
「……トリシューラ……」
ジャネタさんが言う。
「シヴァが持っていたと言われている槍だわ」
「シヴァ……」
兄貴が呟く。
「でっけェ……」
「科学的な検証を重ねた結果、シヴァは18メートルほどあったらしいね。その槍より少し大きいくらいなんだね」
「デコネはこの槍を1000年受け継げって?」
ドナさんが不思議そうに言う。
「なんで?」
「…………さぁ……」
とりあえず出るか、となる。




